2016日中友好大学生訪中団 第1陣

公益社団法人日本中国友好協会(以下、(公社)日中友好協会)は中国政府の要請を受け、中国日本友好協会(以下、中日友好協会)との協議により、3月24日から3月30日までの6泊7日、北京―武漢―上海へ「2016日中友好大学生訪中団第1陣」を派遣した。日本の大学生が中国の大学生と実際に交流することで相互理解を深め、中国の生活文化に直接触れ、より客観的に中国を理解することを目的とする。団員は、全国の大学を対象に募集。応募数252名(92大学)の中から、24都道府県57大学の102名が書類審査を経て団員に選抜された(内3名が病欠、辞退)。揚原安麿団長(当協会理事)、宮嶋剛秘書長(当協会総務部長)、事務局6名を加え、総勢107名(構成6班)の訪中団となった。

3月初旬に第一回研修会を東京にて、第二回の研修会を出発前日に中国大使館内にて行った。その夜、大使館主催で開かれた壮行会では、郭燕公使より「自分の目で見て体験し、自分なりの中国観を持ってほしい。そして若者同士の友好の懸け橋になってほしい」と激励の言葉が贈られた。訪中団を引率する揚原団長は「皆さんの使命は、ありのままの中国を大学の仲間や家族に自分の言葉で伝えること。現地での交流では相手の日本観を広げてほしい」と語った。

北京では抜けるような青空の下、万里の長城を見学。その後、多くの外交官を輩出している国際関係学院へ。孫志明副学長から「日本は大切な隣人、創立当初より日本語学科を設置し、関係を重視してきた。皆さんにはこの学院で多くのことを学んでほしい」と期待が述べられ、学生たちは小グループでのディスカッションを行い、理解を深めた。その夜北京貴賓楼で行われた中日友好協会/中国人民対外友好協会主催歓迎宴には、宋敬武中国人民対外友好協会副会長、袁敏道中日友好協会秘書長、山本恭司日本大使館公使も出席され、山本公使は乾杯のご発声で「(国際結婚に例え)お互いが理解できない時、それをお互いの国のせいだと思ってしまう。本来は個人同士の関係。“交流”とは集合名詞を固有名詞に変えていくことだと思う」と挨拶された。国際関係学院、音楽学院の学生も同席し、日中双方の学生によるパフォーマンスは、アカペラ、折り紙実演、漫才等々にぎやかなものになった。翌日、故宮博物院の参観後空路、湖北省武漢へと移動した。

武漢滞在は、多くの漢詩に詠まれ、江南三大名楼のひとつに数えられる楼閣・黄鶴楼の参観からスタート。その後、科学技術館、武湖農場を参観した。
武漢2日目は武漢園林花卉博覧会公園参観と湖北大学との交流が用意された。湖北大学では蒋涛副学長から大学の沿革と交流への期待が語られ、揚原団長からは「湖北大学外国語学科は英語、日本語、フランス語という構成。日本語が選ばれていることは光栄であり、湖北大学の日本との交流意識の高さを感じる」と挨拶、また大学側の熱烈歓迎への感謝の辞が述べられた。
続いて湖北の文化と歴史を英語で紹介する特別講義が行われ、その後、小グループに分かれてディスカッションを行った。夜は大学内のホールで歓送宴が催され、徐浪舟湖北省人民対外友好協会秘書長から「長年日中友好にかかわったものとして、人と人との交流を続けてこそ、両国の相互理解が実現でき、両国民の相互理解が実現できてこそ中日友好が実現できると信じている」と、若者同士の交流を期待する挨拶をされた。続いて各バス号車の学生代表による本訪中団の感想発表が行われた。
その後日中双方から様々な出し物が披露される中、大使館、貴賓楼に続いて3度目の披露となる「うらじゃ」(岡山県の伝統踊り)と、「朋友」の合唱には両国の学生が全員参加する感動的な舞台となった。

最終訪問地の上海では森ビルの参観と正大広場での買い物という日程が組まれ、学生たちは中国で過ごす最後の日を思う存分満喫した。
団員は積極的にプログラムに参加し、現地の学生と交流し、内容の濃い6泊7日であった。しかしながら、中華料理に慣れない初訪中の学生がほとんだったことに加え、寒暖の差等も影響してか、体調を崩す学生が多く出てしまった。自己管理の大切さも痛感した訪中となった。

今回この事業にご協力いただいた、全ての方々に厚く御礼を申し上げます。

 

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