2023日中友好大学生訪中団第1陣

公益社団法人日本中国友好協会(以下、(公社)日中友好協会)は、中国人民対外友好協会及び中国日本友好協会(以下、中日友好協会) の要請を受け、9月4日から10日まで2023日中友好大学生訪中団(団長=大薮二朗協会常務理事)として上海、北京を訪問し、大学での交流などを通して相互理解を深めた。

日程

▽9月4日 朝、羽田空港から中国東方航空で上海浦東空港に到着、王宝和飯店で昼食後、豫園を見学。夕方、ホテル上海龍柏飯店にチェックインしたが、一部の学生は翌日の2023中日青年友好の夕べに向けたリハーサルのため上海国際会議センターへ。

▽5日 上海都市企画展示館見学、上海理工大学で交流(校内で昼食)、午後から上海国際会議センターへ。2023中日青年友好の夕べに出席。交流晩餐会も。徒歩で東方明珠船着き場へ、浦江遊覧後ホテルへ。

▽6日 中国国際航空で北京首都国際空港に到着。夕方から雑技鑑賞しホテル亮馬河飯店へ。

▽7日 中国人民抗日戦争記念館を見学し、午後から北京第二外国語大学で交流。夜はホテルへ。

▽8日 北京中日創新合示範区を見学、午後から首鋼工業園を見学。夜はホテルへ。

▽9日 午前中、万里の長城(居庸関)を見学し、午後は故宮博物館を見学。夜はホテルで歓送宴会。

▽10日 早朝ホテルを出発し、中国国際航空2便で首都国際空港から帰国の途へ。午後、羽田空港と成田空港でそれぞれ解散。

各班の記録

▽9月4日 上海の空港の表示が中国語で読めず、本当に中国に来たんだと実感した。料理は初めて食べるものも多かったが、どれもとてもおいしかった。つたない表現でも、店員の理解しようとする姿勢にも助けられ、楽しく食事できた。(3A 渡邉香帆)

豫園は、白と黒を基調とした建物と緑が豊かで印象に残った。東方明珠塔は、上海の町や河が見渡せて景色がとても綺麗だった。上海のランドマーク的な建造物を見学できてうれしかった。(2A 大木美優)

▽5日 上海理工大学の学生達は笑顔で僕たちを迎え入れてくれてうれしかった。学食でお昼を一緒に食べ、お互いの国のことを話したり、文化交流を通じたりして、日中の絆を深められたと思う。中日青年友好の夕べでは中国の戯曲や舞などを鑑賞し、日中友好協会のパフォーマンスも無事成功。上海の夜景も楽しむことができた。(3B 知地隆吾)

▽6日 上海から北京へ。雑技団のパフォーマンスは人間離れした技で美しく、会場内にいた人全員が魅了されていた。彼らがどんな訓練を受けているのかがとても気になる。肉体的にはもちろん、精神的にもタフでないとできない技が多かった。中国の芸術に触れられて良い経験になった。(3B 土田さあ紗香菜子マキュー)

中国料理は一つひとつに全力が込められている感じがする。訪中団として歓迎されているから豪華な料理を出していただけることは当然なのかもしれないが、それでも引き立て役の料理がない。卓に置かれたその時、すべての料理が主役になっている。本当に手に汗握ってしまった雑技団を見ながら、中国料理と同じだ、と思った。客人を全力で歓迎する熱さを感じる。(1A 水津葉月)

▽7日 抗日戦争記念館で、高校までに学んだ日本の視点ではなく、中国の視点、そして歴史の捉え方の相違点を学んだ。北京第二外国語大学の大学生との交流を通して、ニュースで報道される中国の反日思想を持っている人は限られていると感じた。だから、これからも中国の人に積極的に関わっていきたい。(1B 樋口陽喜)

▽8日 中日イノベーション協力モデル区で、中日両国の政府、企業相互の強みを生かして先端科学技術を開発していることを初めて知った。考え方や価値観が異なるからこそ、新たな気づきや開発につながると思った。国を超えて世界をより良くするこの取り組みに魅力を感じた。(2B 下出彩也菜)

やはり中国は国力、技術力、思考力に長けている。モデル区は北京市協力のもと、多くのイノベーションを生み出すために、それを生み出したい人に寄り添った環境をつくり、目的、方法等を明確に示している。日本も中国のように先を見据えた計画を増やしてほしい。午後、北京冬季五輪の会場だった場所、その近くの稼働していない溶鉱炉も見学。その壮大さ、歴史、過程を感じることができた。(1A 松井優士)

▽9日 万里の長城から見える景色は、絵のように美しく神秘的だった。長城が騎馬民族の侵入を防ぐ防壁として機能していたのか、実際兵士はどのように配置されていたかなど中国古代に思いをめぐらせ、様々な疑問が浮かんだ。(2B 畠山千宙)

午後は故宮で、清代の皇帝や皇后など身分が高い人達がつけていた朝珠を作る体験をした。細かい作業だったが楽しかった。故宮の建物はほんの一部を見ることしかできなかったので、次訪れた時にじっくり見たいなと思った。(2A 小形海緒)

学生代表あいさつ(9月9日、歓送会にて)

東京外国語大学2年    杉浦 帆南海

こんばんは。東京外大の杉浦帆南海です。まずは、1週間お疲れ様でした。みなさん、中国は楽しめましたか?

私は、中国に行くのは今回が初めてでした。中国に行く前に想像していた中国と、私が実際に見た中国は違うものでした。浦東空港からホテルに移動する時に、バスの窓から見える、数えきれないほどの高いビルに圧倒されました。建設中で上半分しかないビルや、鉄筋剥き出しのビルもいくつもあって、「これが中国か!」と思いながらずっと窓を見ていました。上海の夜景も格別で、中国が大きいということは知っているつもりでしたが、中国という国は私が想像していたよりもずっと大きかったです。そして、私の想像を遥かに上回る規模で今発展しているのだなと感じました。本場の北京ダックも想像よりずっと美味しかったです。雑技団のパフォーマンスにも驚かされましたが、一番想像と違っていたのは、中国の方々の私たちに対する反応でした。日本では連日、中国国内の状況が報道されていたため、日本人が受け入れてもらえるのか、不安でした。実際行ってみると、どこの施設の方も私たちをあたたかく歓迎してくださって、今回交流した上海理工大学、北京第二外国語大学の学生さん達も、言葉が通じなくても私たちと仲良くなりたいと思ってくれていることが伝わってきて、本当にうれしかったです。今回の訪中で私たちと、中国の学生をはじめとする中国の方々との間に生まれた小さなつながりが、日中友好につながって行くのだと思います。

今後も、日本では中国に関する報道がたくさんされると思います。私は自分の目で見たものを信じたいと思います。

今回私たちが無事に訪中を終えることができたのは、多くの方々の助けがあったからです。

私たちを引率してくださった日中友好協会の皆様、ガイドの方々、そして私たちをあたたかく迎え入れてくださった上海、北京の皆様、中日友好協会の皆様に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

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