雑誌《人民中国》企業訪問レポート 河本希歩(2022北京語言大学)

雑誌「人民中国」企業訪問レポート

先日、中国唯一の日本語総合月刊誌「人民中国」を創刊されている人民中国雑誌社を訪問させていただきました。今回はその貴重な企業訪問の際の様子を紹介したいと思います。

人民中国雑誌社のある中国外文局アジア太平洋広報センターの様子

まず雑誌社についてから編集長である王さんから雑誌「人民中国」についての紹介をしていただき、1953年に日本語版として創刊された「人民中国」が現在までにどのような歴史をたどってきたのかを教えていただきました。近年では、多様化した中国文化を伝えるため地方観光に密着したコラムに力を入れていたり、若い人々を含めより分かりやすい情報提供方法として漫画要素を導入したりしているようで、時代に寄り添い、その時代の読者が求める情報を提供できるよう努めてきたこそ、70年という長い間雑誌「人民中国」が愛されてきたのだと、お話を聞き強く実感しました。

そしてその後は実際の編集部を見学させていただきました。編集部では原稿の翻訳や校閲などの原稿制作の作業が行われていました。原稿確認の際は、内容や日本語として表現が適切であるかを確認するということで、日本語雑誌として中国文化を伝える存在だからこそ日本人が読んだときに違和感のないものとなるよう、文化を適切に伝えるために重要な作業であると知ることができました。またそんな重要な編集作業を支えるメンバーとして日本人の方々が働く様子も見学することができました。この雑誌社では北京以外に東京支局で働く方も含め、7人の日本人の方が働かれているとのことでした。実際に日本人の方々が中国で活躍する様子を見ることができたことは、大きな刺激になったように感じます。そしてこの編集部では実際に校閲作業を体験させていただきました。原稿の誤りを訂正したり、原稿を読み、誤った表現や日本語として適切でない表現があるかどうかの確認をしたりする作業を体験させていただいたのですが、少し体験させていただいたなかでも実際にその内容の知識がないとわからない部分もあり編集作業の難しさを実感しました。

校閲作業体験

その後Twitterも活用されているということで、Twitter編集をされている場にもお邪魔させていただきました。特に若い人々に情報を届けるツールとしてTwitterを活用しており、多くの方に見てもらえるよう写真選びも含め、見せ方として様々なこだわりがあるのだと教えていただきました。

Twitter編集体験

今回の企業訪問は、以上のような体験を通じて、雑誌を読者に届ける中でどのような工夫がされているのか、どのような思いを持って取り組まれているのかという雑誌編集の裏側を知ることができ、大変貴重な経験になったように感じます。

「人民中国」という雑誌は非常に多様な角度から中国について知ることができる雑誌であり、中国についてよく知っている人も、あまり詳しく知らない人も楽しめる内容になっているように感じます。もしまだ読んだことがないという方がいたら、ぜひ一度手に取って読んでみてほしいなと思います。