王玉琢①

早稲田大学社会科学研究科 修士課程2年

王玉琢

 

時は飛び去り、授与式からもう2ヶ月が経ちました。改めて、先生方が私に対してかけてくださったお心遣いに感謝申し上げます。奨学金を受け取ることで、経済的な負担が軽減されただけでなく、学業面での私の研究が評価されたと感じています。これにより、私は将来、日中友好の架け橋になるという目標にさらに確信を持つことができました。以下、この期間の学業と生活の進歩について報告させてください。

 

学業面

学業では新しい知識を積極的に学び、研究に取り組んできました。先生方からいただいた助言やご指導を心に留めながら、自分の限界に挑戦し続けました。この学期、研究室で4回発表する機会がありました。同じ研究室の仲間たちと切磋琢磨し、また先生方のご指導を受けながら、私の研究計画を更に磨き上げることができました。現在、研究はすでに完全な枠組みを持っており、夏休みが始まると執筆に取りかかる予定です。

 

先行研究の調査を通じて、多くの知識を得ることができました。特に、岡田先生の一冊の本は日本の漫画産業の発展過程と海外進出の状況を紹介しています。これは同じく文化産業に属するゲーム産業の研究にとって非常に重要な示唆を提供してくれました。また、野村総研が行ったオタクの消費心理を対象とする研究を読みました。この研究は、マイクロな視点からオタクというニッチなグループがとる消費行動の特徴を深く洞察し、独自かつ詳細な見解を提供してくれました。これは私のゲーム産業に関する研究に新たな視点をもたらし、非常に有益でした。

 

これらの研究は、文化産業が相当に発展している日本ならではのものです。私の中国での学部卒業論文もゲーム産業を対象としていますが、古典的経済学の枠組みに限定されており、研究成果は非常に限られています。これらの研究を読んで、私は日本でゲーム産業の研究を行うことは正しい選択だったと再び感じました。引き続き、研究を深めるために努力し、より優れた成果を目指して頑張ります。

 

生活面

生活面では、奨学金を受け取ったおかげで、学業の合間により多くの自由な時間を持ち、日常生活を通じて日本文化に対する理解を深めることができました。最近、暇な時間にはよく外出して、日本の美しい人文景観や壮大な自然風景を感じることができました。

バラの季節には都電荒川線に乗ってみました。小さな列車の線路沿いにはバラが一面に咲き誇り、ノスタルジックでレトロな雰囲気が漂い、東京という現代的な大都市では珍しい景色でした。6月には河口湖へ行って富士山を見ました。霧が濃かったですが、それはまた一風変わった美しさを持っていました。私の故郷、張家界にもたくさんの山がありますが、そこの山は富士山とは異なり、高く険しい喀斯特地形に属しています。これは私が初めて見る火山地形であり、自然の驚異と日本の美しい風景を感じました。

バラの季節の都電

雲の中の富士山

数日前、私は鎌倉に観光に行きました。そこは歴史的遺産と自然の景観が共存していて、多くの外国人観光客を魅了しています。観光スポットの開発が非常に完備されており、交通や飲食、宿泊まで、観光産業チェーンが全体的に整っています。そこで私は故郷の張家界を思い起こしました。鎌倉と同じく世界的に有名な観光地であり、景色は美しいものの、ビジネスモデルには改善の余地が多くあります。私は日本観光中に先進的なビジネスモデルを理解し、いつかこの知識を活用して故郷の観光産業の発展に貢献したいと考えています。

鎌倉の橋と海

その他、私は観光しながら写真撮影の練習をしています。日本で撮った風景写真をSNSに投稿し、多くの中国の友達から「いいね」をいただきました。彼らは写真を見て、日本に旅行したくなったと言ってくれました。私はこれを、今の私が中日友好に対して微力な貢献をしていると考えています。写真を通じて、美しい日本の風景を広く共有することで、日本と中国の人々がより近くに感じることができるのではないかと思っています。私の写真が多くの人に日本を知ってもらい、訪れたくなる気持ちを起こさせるきっかけになれば、とても嬉しく思います。

今後も、私は研究と写真撮影を通じて、日中友好の架け橋となるような活動を続けていきたいと考えています。少しでも多くの人に、素晴らしい日本の文化や風景を伝え、両国の友好関係を促進する一助となりたいです。