「突然始まったオンライン留学」 染谷圭秀(北京第二外国語学院)

 留学先である北京第二外国語学院のオンライン授業を9月22日から受け始め、現在、一週間ほどになる。 9月20日に、大学からオンライン授業があるとの連絡を頂き、その2日後には中国語と心の準備が不十分なまま授業に参加することになった。他の留学生は9月の初旬から授業を受けているとのことであり、僕は2週間ほど遅れての参加であった。

 授業時間は95分間で、月曜日から金曜日まで毎日2コマずつあり、4つの授業を4人の先生方がそれぞれ担当している。また、僕が所属しているクラスは15名ほどで、留学生の国籍はロシア、エクアドル、韓国、エジプトなど、実に国際色豊かである。日本人は僕一人だ。

授業の時間割。授業はVooV Meetingにて行われる。

少人数の授業であるがゆえに、一回の授業で何回も指されるのだが、これが実にスリリングだ。どうかその問題は聞かないでくれと願うときに限って私の名前が呼ばれ、ドキッとすることもしばしばだ。さらに、クラスに日本人が私一人しかいないこともあり、季節のことからメロンの値段まで、よく「日本ではどう?」と聞かれる。だから、ロシア人の彼が指されたら、僕は電子辞書を駆使し、頭をフル回転させて返答に備える。

 授業では自分の中国語能力の低さを実感することが多い。中国語を中国語で教わるということの恐ろしさに涙が出そうになることもあった。このような状況で、多くの留学生が経験するであろう「ああ、もっと事前に勉強しておくべきだった…」状態を例に漏れず僕も経験した。なので、授業が始まってからの一週間は苦しく、悔しい思いも沢山した。しかし、この一週間で自分の中国語学習史上、中国語力が最も大きく成長したのは間違いない。 「苦しさ、悔しさをバネに〜」とよく言うが、今の自分は苦しさ、悔しさを原動力として自分が成長できている実感がある。「不知道」や「不明白了」と答える回数もかなり減った。そのため、授業が終わった後の充実感は大きく、中国語が不自由なく話せるようになった自分を想像してはワクワクしている。

中国SFの傑作『三体』。これが中国語で読めるようになるのも僕の目標の一つだ。

中国語を勉強する毎日の中にいて、中国に早く行きたいという思いは日に日に強まるばかりだ。だが、現在は中国に行けない以上、中国に行けるようになったときに「ああ、もっと勉強しておくべきだった…」状態に二度と陥ることがないように、「不明白了」と言わないために、今は中国語の勉強に毎日一生懸命励むだけである。一年後の自分の成長が楽しみだ。