「留学の延期と留学に向けて取り組んだこと」志甫明音 (北京外国語大学)

2月に中国政府奨学金の内定を頂いてから、9月には中国に行けるようになっていればいいなと祈っていたが、そうはいかなかった。6月末頃に北京外国語大学から、秋学期はオンライン授業になったとのメールが届いた。オンライン留学を開始するか、留学を延期するか。私はすぐに決断を下すことができなかった。なぜなら私は現在大学4年生で、留学を延期すれば卒業が2年も遅れてしまうからである。そうなれば就職はできるのだろうか、留学を半年延期したところで果たして中国に行けるのだろうか、という不安が大きかった。一方で、現地に行きたいという思いも強かった。私は中学の時に中国ドラマを見て中国の文化に興味を持って以来、ずっと中国で生活してみたいと思っていたからである。自分だけでは決めかねてしまったので、大学のキャリアサポートセンターや両親、友人に相談して、延期を決めた。自分で考えられるだけ考えて出した結論なので、今後どのような状況になっても後悔することはないだろう。

中国語を学習するきっかけになったドラマ

留学に向けて中国語に触れる機会を増やすために、大学では中国語で書かれた本を訳す講義や中国語学の講義を履修した。すると、中国語学講義で中国人留学生と友達になることができた。講義が終わった後に一緒に帰ったり、彼女の家に遊びに行ったり、一緒に出かけたりするなかで、お互いに中国語と日本語を織り交ぜながら会話して、中国語の練習になった。政治的問題についても会話することがあり、普段日本のニュースを見ているだけではわからない、中国の人の考えを知ることができた。

友人が作ってくれた柳州螺蛳粉

 

柳州螺蛳粉

また、大学の先生から中国人留学生の日本語をサポートするチューターをやってみないかというお話をいただき、日本にいながら中国の方と交流することができる又と無い機会だと思ったので、春学期の間チューター活動を行った。チューター活動では、留学生の日本語能力向上のために主に日本語で会話したのだが、日中の文化の違いを知ることができた。

周りに中国人留学生が多いというありがたい環境に置かれているので、留学を開始するまで、中国語の勉強をしながら積極的に話しかけてみたいと思う。