「今後留学する人へのメッセージ」池田 優美香 (復旦大学)

今後留学する人へのメッセージということだが、私の中でエネルギーとなっている言葉についてお話ししたいと思う。それは、「挑戦」という2文字である。今考えると、10代の頃から、この2文字を信念に今まで過ごしてきた。とりあえず、後先を考えずに一度やってみるということを大切にしている。このプログラムに応募するのにも迷いがあったが、迷っているだけでは何も始まらない。だから今、もし何かをすることに迷っているのなら、一回やってみることをお勧めする。コロナ禍ということもあり、外出などが制限され、なかなか自分の思い通りにいかないこともあったが、私はこの機会を逆に今までにない経験にしようと行動するようにした。自分自身の考え方次第で、良いことにも悪いことにも転換できると思ったからだ。オンラインで授業自体、今までに無いことを経験させて頂いたし、同じ気持ちの留学生たちにも出会うことができた。きっとこの経験がこれから先役に立つ日が来るだろう。そして、時間の使い方をより考える機会となった。日本にいながら語学学習ができる良い方ではないだろうか。現地留学ができなかったことは、大変残念に思うが自分の普段の生活の中に留学を取り入れることもまた新鮮な経験ができたと感じている。これからオンラインで何かをすることがメジャーになっていくと思うので、いち早く体験できたと思っている。

そしてこの状況は、まさに『塞翁失马』(塞翁が馬)のような事だと思った。人生は何が起こるか予想できない。良いこともあれば、悪いことも起こる。私は春学期の授業の中で、『塞翁失马』について学んだことを思い出した。意味を簡単に説明すると、高い城壁の側に住んでいる老人は、馬を飼っていた。その飼っていた馬が逃げてしまい、その後、もっと良い馬を連れて帰って来た。その良い馬に乗ることが好きだった息子は、ある日、落馬し脚を折ってしまう。その後、戦況が悪化し周りの若者は全て徴兵された。しかし、息子は脚を折ったおかげで徴兵されずに済んだのだ。戦地に行った若者はほとんど亡くなったが、彼は命拾いをした。このように悪いことが起きても良いことが起こるのだ。先生は、このように説明した。「有的时候,坏事会变成好事,坏事也可能是福气。」(ある時には、悪いことが良いことに変えることができる。悪いことでも幸運をもたらすかもしれない。)日本でも同じ言葉が使われているが、原作エピソードを知るとより一層理解が深まった。せっかく留学できる機会をいただけたのに、中国へ行けなくなってしまった。しかし、それでもオンラインで学ぶことがたくさんあった。私の状況も現在のコロナウイルスの状況もまさに塞翁が馬のようなれたらいいなと。そして、いつかきっと終息する日が来て今まで通りの国の行き来ができるようになることを願っている。だから、今この状況を経験として学びながら過ごしたい。これから留学へする方にも私と同じような考えの人がいたら嬉しい。残り半年の留学期間もオンラインとなったが、また新たな気持ちで新学期を迎えたい。