オンライン留学を終えて これからの私 星野泰代(浙江大学)

2021年7月3日土曜日、期末試験をもって約1年間のオンライン留学が終了した。

オンライン留学どうだったか。いやあ、疲れたなあ。毎日パソコンに向かい合っているだけなんだから。では、オンライン留学は意味ないのかと言えばそうでもない。授業の内容は高く、クラスメートも中国語がよくできる。語学面で言うと少しは成長できたはずだ。

ではまず、授業の話をする。後期の必修は综合课(上級総合)、读写课(上級読解・作文)、HSK6级课があった。それぞれ週4コマ、週2コマ、週2コマ、計8コマ。選択科目もあったが、時間の関係で私は履修しなかった。综合课は、北京外国語大学出版社の高级综合(Ⅱ)を使い、進められる。予習・復習の課題はほぼ毎日出される。平日時間が無い時は、時間のある週末に課題内容を見越して一気にやっていた。試験は筆記。問題用紙を自分で印刷し、試験当日に先生が問題を画面共有したものを見ながら手書きで回答用紙を作成。读写课は、先生が毎回テキスト(なんていうテキスト分からない)のPDFを送ってくれるという形式だった。作文の授業であるため、ほぼ毎週400字程度の作文課題が出された。慣れるまでは辛かったなあ。しかし、先生が優しい方で、良いところはみんなの前で褒めてくださるため文章を書くのが苦手な私でも自信がついた。HSKの授業は、ひたすら模擬問題を解くというのものである。課題はさほど多くない。予習と第3部分写作を課題として解き、先生に送るというもの。すでに6級を持っているが、HSKはやはり苦手である。综合课・读写课の成績はまあまあ(读写课・中間試験にいたっては上から3番目)だったが、HSKの成績だけ悪かった。期末は中間よりもひどかった。ひどかったといど、中国語のレベルは、少しは上がったと感じる。語彙・文法知識がだいぶ増えた。最初は中国の友人に助けてもらわないとできなかった課題がいつしか自分一人でできるようになった。作文も何を書けばよいのか分かり、作文の成績も前期よりだいぶ上がった。発音も久しぶりに会った中国の中人から上手くなったねと褒められた。よって、語学面の目的は一部達成されたと言える。

私のクラスは約15人前後、比較的大人数と言える。クラスの雰囲気はと言えば…どうだろう。堅苦しい雰囲気もなければ和気あいあいとした雰囲気もない。普通。これは仕方がない。初回オリエンテーションでのみカメラオン、その他の授業は最後までカメラオフ(各国から授業を受けるとネット環境が悪化する)だったため、同学の顔は覚えられない。一緒に遊びに行って親睦を深めることもない。また、10人を超えると自由に発言できる機会が当然のことながら減る。授業外での接触は全くと言っていいほどなかった。授業に関することは浙大钉というアプリを使ってやり取りをしているが、留学生だけのグループが微信で作られた。その中で仲良くなりたいと思った子がいれば友達申請を送り、個人チャットをする。私も数名と友達になったが、頻繁に連絡を取り合うような子はできなかった。

 

余談ではあるが、私はオンライン授業に向けて、“少し良い”ヘッドセットを購入した。オンラインで困ることと言えば、相手の声が小さくて聞こえない、こちらの声がクリアでないということが挙げられるだろう。これを解決するために思い切ってお金を使った。カメラオフだからこちらの様子が同学には伝わらないが、日本人の友人とズームをすると、毎回「コールセンターですかぁ?」といじられ、私も「お電話ありがとうございます。担当の星野でございます。……」―――。

 

中国に行けなかったこの1年間は、中国と私について考える良い時間であった。なぜ中国に行きたいのか、大学卒業後はどうするのか、中国語に触れていくのか…。今やっと考えがまとまり、将来のビジョンも見えてきたところだ。「現地留学できなかった」ではなく、オンライン留学を経験した特殊な代だからこそ考えられること、語れること、できることもあると信じて、これから自分の道を切り開いていきたい。

ヘッドセットを装着し、こういう風に授業を受けていました