「オンライン留学が始まって」星野泰代(浙江大学)

特別留学のために取り組んでいたことはない。受けるつもりだったHSKはコロナウイルスの影響で中止になり、勉強という勉強には身が入らなかった。せめて中国語に触れようと、中国ドラマを見たり、中国の歌を聞いたりしていた。

9月中旬、オンライン授業ではあるが、やっと留学が始まった。私のクラスは、華僑の割合が高く、レベルが高く、私より年上の人が多い。日本の大学では、周りには同年代が多く、大体の人が似通った人生を歩んできている。しかし、世界の国では、20代後半、30代、それ以上の大学生が少なくなく、それぞれ複雑な事情を抱えているのだと感じた。翻訳の仕事をしている人や一度社会に出てから大学に入った人もいる。年齢や生まれ育った環境が全く異なる人々と接する機会はなかなかない。このような機会に恵まれるのが留学の醍醐味の一つであるが、オンラインだと親しくなるのが難しい。とても残念だ。授業は北京時間で約13時~18時(2コマ)、月曜~金曜まで毎日授業があり、全部で9、10コマの授業を受ける。最高レベルの6班ということもあるが、授業内容及び課題が難しい。周りについていけるのかという不安が常にあり、とにかく必死の毎日である。この2年半、私は一体何を大学で学んでいたのだろう。ただ、授業はもちろん楽しくもある。中国語オンリーではあるが、先生の教え方はとても分かりやすく、どの先生も優しい。一回の授業でも学ぶことが多く、しっかり勉強すれば中国語力は確実に上がるだろう。

オンライン留学から3日経った頃から、顎の関節が痛くて、口を大きく開けられなくなった。顎関節症かと思い歯医者に行くと、筋肉の疲労であった。さらに、きっかけとなったのは、このオンライン留学(パソコンを見る角度が悪いせい)だと判明した。痛み止めもなく、話すのも苦痛だ。「言語は喋ってなんぼ」なのに…。思いもよらぬ悲劇に、運がついていないと常々思う。

オンライン留学。今は辛いことばかりだが、目標を失わず、日々頑張っていこう。