「行勝於言」中溝 明佳(清華大学)

「子曰く、学びて時にこれを習う、亦た説ばしからずや。子日く朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや」
訳 師の教えてくれたことを学び、いつも繰り返して自分の身につける。なんと喜ばしいことだろう。同じ志をもつ友達が遠くからでもやってきて一緒に学ぶ。なんと楽しいことだろう。

私は幼い頃に斎藤孝さんが編集した「朋有り遠方より来たる」という子供用絵本をよく声に出して読んでいた。短い原文と簡単な意味が、挿絵付きで書かれている。その内容が孔子の教えを弟子がまとめた論語であることをその頃はまだ知らなかった。ただ繰り返し口ずさんでいた記憶がある。一番好きなのは最初に記した論語である。これは絵本の中にも登場している部分だ。留学に来てからは特に今の私の感情を表すのにふさわしい論語であると感じる。

新しい学期になって早一ヵ月が経過し中国語の学習方法も見直し改善している。

私は今回の留学において次のように中国語の学習に取り組んでいる。

聞くこと

まず聞き取りで単語の意味が分かるようになるために、授業の初めで行われる听写では毎回満点を取れるよう努力している。今まではノートを取るのに必死になっていたが、現在は先生の話を聞くことに重点を置き、耳が慣れてきたおかげで聞き取れる内容が増えて授業が楽しく感じられるようになった。

本科生の授業を聴講し、より自然な中国語も聞き取れるように授業に参加する機会を増やしている。

話すこと

普段クラスメイトと話す時は中国語で話す。授業では、前学期よりも積極的に発言や質問をして授業内で得られる知識を最大限に吸収している。また、今学期では特に中国人学生との交流を重要視し、日中交流に参加したり先生にランゲージパートナーを紹介していただいたりすることで知り合う機会を増やした。

書くこと

分からない単語があったらその場で拼音と意味を調べて教科書に書き込むことを続けている。単語帳を自分で作ったりまとめたりするのは自分には向いていないことに気づき、教科書に書き込めば後から見直す際に文章と一緒に覚えられるので効率的だった。

この他にも今学期は毎月HSK(汉语水平考试)を受験することで、自分の中国語レベルがどのくらい上達したのかを確認するだけでなく試験のために勉強時間を増やすことができている。

学習方法は人によって最適解が異なる。合わない方法でずっとやっていても上達は見込めない上に苦しい思いをするだけだ。私は課題や試験という目的があると真剣に取り組みやすいので、その特性を生かした方法で行うとやりやすくなった。授業後は図書館によく通うようになった。みんなが集中している環境に身を置くと自分は一人ではなく彼らと一緒に頑張っているのだという一体感が感じられる。焦らずにゆっくりと個人の一番やりやすい方法を探していくことが重要である。

大学内に「行勝於言」と彫られた石碑がある。
これは「行動は言葉に勝る」という意味であり、
私も言葉だけでなく行動できるような人になりたい。
中大学内にも桜の木があり、
色とりどりの花と校舎がより一層美しく見えた。