「留学する前のイメージと実際に留学してみて気づいたこと、新たな発見」上谷こころ(北京外国語大学)

留学する前、中国に対してのイメージは良いものではありませんでした。留学に行く時期は日本の汚染水で話題になっていたために、差別を受けたらどうしようという気持ちが強く、日本人であるという事に不安を抱えながら留学をしたことを覚えています。

ですが、中国人の多くの方々は、当時の汚染水問題とはまるで関係無く、「日本人」である私ではなく、「人」として関わってくれているように感じました。

北京外国語大学にいる中国人学生においては、音楽が好きな学生は音楽に観点から、アニメなどの日本特有の文化が好きな学生は文化の観点から、趣味を通して日本に対する興味を持ち、多くの質問を投げかけてくれます。それに派生して好きな事・物にも興味を持って共感してくれて、「人」として接してくれていると感じます。北京外国語大学の学生は多くの留学生が在籍しているので、グローバルな観点からも理解の深い学生が多いということは事実ですが、学校外で関わる方々も「人」として接してくれていると感じます。

タクシーに乗車した際、運転手から「你是哪国的?(どこの国の人ですか?)」と聞かれ、日中情勢的に日本人であることを知られたくないという気持ちもありながら、「日本的。(日本人です。)」と答えました。すると運転手はバックミラー越しで私と目を合わせ、中国留学の間に行くべきスポットの話や、日本の行きたいところの話をしてくださいました。また、友人とカフェに行った際、通りすがりの中国人男性に英語で「日本人ですか?」と質問され、あまりにも唐突だったので、何か気分を害してしまったのではないかと思いながらも恐る恐る答えると、「Have a good time, thank you for your coming to China!」と返答され、安心したと同時に嬉しい気持ちでいっぱいになったことを覚えています。中には日本人に対して偏見を持っている中国人の方は居ますが、実際に中国に行ってみると素晴らしい考え方や日本に対して素敵な印象を持ってくれている方々が多いです。最近は、日本に偏見を持っている中国人の方から目を背けるのではなく、日本に対する一つの考え方として受け入れていくようにしています。今後の留学生活でも、中国人の方々と接していく中で、沢山のことを吸収して、さまざまな視点から物事を考えていこうと思います。