「留学を開始して困ったこと、面白かったこと」細川詩織(北京師範大学)

北京に来てから1ヶ月が経った。予想通りといえば予想通りだが、初めは様々な手続きに追われ、この1ヶ月間は忙しい日々を過ごしていた。どれも一筋縄ではいかず、中でも一番困ったのが銀行口座の開設である。9月は新学期で、私たちと同じように多くの外国人留学生が口座開設のために銀行へ足を運ぶ。そのため銀行の営業時間より早く着いても「外国人が多く今日はもう受付できない」と言われてしまうことが2度もあった。先に来ていた人に声を掛けると、なんと朝7時には来た方がいいとのことだった。結局3度目は朝7時に銀行に向かい、4時間弱待ってようやく口座の開設をすることができた。オンライン決済が日本よりも大きくリードしている中国では、銀行口座の開設は死活問題である。手続きが完了して、初めて口座と紐付けた決済アプリで支払いが済んだときはとても安心した。

もちろん困ったことだけではなく、たくさんの面白いことも見つけた。中国で生活を始めてから気付いたのだが、中国では思ったよりも日本語を見かける機会が多い。キャンパス内を歩けばアニメの台詞が書かれているTシャツを着た人がいたり、スーパーで買い物をすれば雑貨に日本語がデザインされていたり、一番面白かったのがショッピングモールで見かけた日本料理屋だ。日本の駅をコンセプトにしていて、一見するとよくできているなあと感心したものの、目を凝らしてみるとところどころ日本語が怪しい。「インフオメーツヨン」「東京ミシドタウン」には思わず吹き出してしまった。中国人にとっての日本語は、日本人が英語のデザインをなんとなくかっこいいと思うのと同じような感覚なのだろうか。よくわからないけれど、これらは日本を思い出しつつ中国らしさも感じることができて面白い。

留学生活は残り9ヶ月となった。多くの人が留学はあっという間に終わるというが、私はいまだに信じていない。たったの1ヶ月でたくさん大変な思いをしたし、これからは今まで以上に大変なことが起こるのかもしれないと思うと気が重い。今でも頻繁に日本が恋しくなる。でも、これらすべてが経験してよかったと思える日がいつか来るのだろう。暗いことばかり考えず、これからさらに留学生活を充実させていきたい。