「北京のロックバンドシーンの面白さ」芳賀 明里(北京語言大学)

中国へ渡航して以来、特に隔離明けで学校の外へ外出できるようになってから現在までずっとそうですが、外に出るだけで面白いこと変わったことが毎回あります。街中には面白い名前やフォントの看板、なぜこんな場所に…?と不思議に思う外に置かれた椅子(至る所で見かけます)、日本じゃありえないような形の高層ビル、平日昼間にのんびり道端でお喋りしているおじさん達など、挙げたらきりがありません。商業施設や観光地ももちろん楽しいですが、このような出会いを求めてついつい住宅街の路地や胡同をぐるぐる歩き回ってしまいます。北京へ来てから約5か月、私はまだ有名な颐和园や万里の長城へ行けていません…。

公園内の子供向け遊園地にあった本格的なショベルカー体験ゾーン。

広州旅行でふらっと入ってみた活気のある路地。

北京はロックミュージック文化が盛んで、毎週色々なバンドのライブが行われています。大体100元〜150元くらいの価格帯、1回に3~4バンド聞けることが多いです。ライブ情報は小红书などで「北京摇滚」「北京演出」などと検索すると沢山見つかります。

ライブハウスは大体胡同の薄暗い路地を進むとあることが多いです。

何度かライブに足を運んでいますが、観客とバンドの距離の近さや盛り上がり方が毎度面白いです。例えば、演奏が終わった後スクリーンにQRコードが映し出され、スキャンするとそのバンドのwechatグループに招待されることがありました。そのグループにはバンド本人達はもちろん、別バンドの仲の良いメンバー、ライブハウスの運営スタッフ、ファンなど色々な人達がいてかなり自由に会話できます。次のイベント情報から、ファンが撮ったライブの写真、「おはよう」などの挨拶まで、友達とのチャットのような感覚で驚きました。特に春節や誕生日など、何か良い事があるとグループに红包(決まった人数へ、タップした人先着でランダムにお金が配られます)も投げられます。好きなバンドメンバーから直接お金を貰えて感動しました。

ファンもバンドもひっくるめて1つの小さなコミュニティのように見える北京のバンドシーンは、流行り廃れの移り変わり激しい中国において、こうした地道な交流によって支えられているんだと実感しました。観客の年齢層も幅広いですし、デジタル音源の多くなってきた現代でもまだまだライブを楽しむ文化があって良いなと思います。

 

また、観客は演奏後によく「牛逼!」「牛!」と叫びます。牛逼はあまり良い言葉ではありませんが(笑)、かっこいい!!すごい!!!みたいな意味でライブハウスで一番使う機会が多い中国語だと思います。とりあえずこれを言うと盛り上がるので、中国でライブなど行った際に使ってみることをおすすめします。先日博物館で展示物を見ながら「 牛逼…」とつぶやく中国人を見かけ、そういう使い方もできるんだなと学びました。

招待されたバンドのチャットグループ画面。牛の嵐です。

ライブの最後に中国人なら皆知っている小虎隊の「爱」をカバーし大合唱した時の動画。私も知っている曲だったので一緒に歌えて嬉しかったです。

いよいよ新学期が今日から始まります。初めての対面授業なので、オンライン授業とは違った経験ができるでしょう。前学期からレベルが1段階上がっているので追いつけるよう頑張りたいです。