「前期を通して」豊増日菜(清華大学)

9月1日まで本当に渡航できるのかわからなかった前期の留学。留学ビザ再開に合わせいろいろな情報が飛び交い、かつ渡航してからはコロナ禍でさまざまな情報がリセットされてしまっており、隔離が終わってからの毎日はわからないことだらけでした。隔離されている間が一番平和だったんじゃないかと思うくらい、電話をして状況を説明しないとスマホ決済が使えなかったり、居留許可申請に1ヶ月かかったりと中国生活が始まった頃は困難の連続だったように思います。どんどん慣れて予想通りに物事は進まないという構えを取ることができるようになりました。

また、北京でコロナが大流行するなんて思ってもいなかったですし、規制が一気に緩和されることも想像していませんでした。楽観的とはいえ自分の心の健康を保つこと第一にかなりゆっくりした日々を送らせてもらったと思います。情けないことに渡航から4ヶ月経ってもなかなか中国語発音の成長を自分では感じられないままですが(弱点は理解できました)、外に出て困惑することはほぼ無くなりました。ルームメイトと話す時も自然と中国語をつなげられるようになったと感じています。

今は日本から持ってきたHSK5級のテキストを使って勉強しています。今後どうなるかわかりませんがここまでテストが中止になることが多かったので、次は一気に6級を取得できるように準備をしています。

留学において私が目標にしたことはたくさんあります。そのひとつが1ヶ月に1回は美術館やギャラリーに行くということでした。キャンパス外に出れない時期もありましたが、かろうじて目標達成しています。コロナ禍前、中国に旅行しては美術館を回るのが好きだったので、この3年の間に陳列や配線の美しさが段違いにレベルアップしていることに感動しました。

清華大学美術館。とても大きいですし奈良国立博物館との共同展が開催されていました

そして渡航前は想像していませんでしたが、クラスメイトに美術と歴史の専攻をしていた韓国からの留学生がおり、彼女とさまざまな意見を交換することで観れるものがまた違う感覚があります。このような人との出会いは現地に行けてこそ得れたものだと感じました。

貴重な体験をさせていただけていること、この留学自体のタイミングの良さに感謝しながら、後期も語学学習と自分の興味ある分野の追求を忘れないようにしたいです。

北京民生現代美術館の敦煌展。見応えありましたし大学時代の研究に関わっていたので感動する展示でした