「留学への思いとこれまでの準備」瀧澤萌(北京師範大学)

2月に中国政府奨学金留学生として内定を頂いた。2020年度生の新型コロナによって渡航ができなくなった状況について大変気の毒に感じつつも、今年こそは渡航できるだろうと現地での生活に期待を膨らませていた。また異国での生活ということで不安もあったが、それさえも心が躍るようだった。しかし感染状況が二転三転し、毎日感染者が最多を更新するニュースから徐々に現地留学への諦めの気持ちが強まり、とうとう渡航延期が決定したのであった。覚悟はしていたものの、現地での留学を諦めきれない気持ちから半年の延期を決めた。延期した場合、オンライン授業を選択した場合のメリット・デメリットを書き出し、就活や今後の生活にどのような影響が出るかを総合的に判断した結果だ。一番は、留学を通して言語を習得するだけではなく、様々な経験や文化交流を通じて、自身の経験値を高めることや視野を広げたいという思いがこの選択を後押ししたと言える。

次に留学に向けて準備したことといえば、自分の基礎力を上げるためにHSK5級の学習をすすめて、語彙を増やし、リスニングを強化した。特にリスニングや自身の発音を向上させるために、会話文が収録されてあるCDを聞きながら、そのままシャドーイングし、会話文のピンインをパソコンに入力していくことを実践した。実際に口出し、パソコンに指を使って入力することでピンインに基づいた正しい発音を意識することができるし、記憶にも残りやすく、自分の中でも定着したと感じている。また会話する際の表現力が上がり、大学での留学生との学習や実践的な会話練習にも大変活かされた学習だったと思う。

会話文をタイピングした様子

また、大学では私が所属する中国語ゼミで中国少数民族文化に関する調査や学習を行った。多民族国家といわれている中国の民族構成、民族の分布はどうなっているのか、各民族における言語、文化、宗教、風俗習慣の特徴はなんなのか。ただ言語を学ぶだけでなく、そこに住む人や、その中国語の背景にあるその国の社会や文化になどに関する基本的な知識を正しく理解することで、渡航できた際にはより深い留学生活を送れると確信している。早く事態が収束し、現地で学習できるまでしっかりと準備を進めていくつもりだ。