日本と中国、似ているところ、異なっているところ 天堀寛子 華東師範大学

私が思う中国と日本の異なる部分は、結婚に対する考え方である。私の中国人の友人は、男女ともに社会人が多かったり、年齢的にも結婚を意識する世代なので、その話を聞く中で日本と中国の違いに気付かされた。
一般的に中国人が結婚する際は、中国人男性が家を購入している事が前提である事だ。賃貸生活もごく一般的な日本人にとっては衝撃的な話である。中国では、中国人女性の社会的地位も高く、収入の差も日本よりは小さいと言える。しかし、収入に大きな差がないにも関わらず、男性側が持ち家を持っていないと結婚できないというのは、中国人男性にとってとても苦労する事だと感じた。実際、ある中国人男性の友人は、交際相手がいなくても、いつでも結婚できるようにすでに家を購入し、家のデザインやレイアウトまで全てを終わらせている。友人曰く、賃貸ではなく、持ち家がないと子供も学校に進学できないなどの理由があるみたいだ。これらの話を聞くと、持ち家の必要性も理解できるような気がする。中国で生活していると、いつも衝撃的な話に驚かされるが、深く掘り下げて聞くと、様々な中国の文化的背景があり、それぞれに意味があることなどなど分かった。また、中国の教育体制なども同時に学ぶ事が出来たりするので、知れば知るほど新しい発見があり、面白さを感じる。

友人の上海にある持ち家の一室

次に似ている点について述べる。普段、街中を歩いていると、大声で笑ったり怒ったり泣いたりしている中国人がたくさんいる。私は中国人の国民性が、感情表現が豊かで自分の意思が強く、どの場面でも思っていることをはっきりと伝えるものだと思っていた。しかし、授業で先生が紹介してくれたビデオや周りの話を聞いていくうちに、仕事で取引先とのやり取りの場面や普段関わらない人たちには、意外と遠回しな表現をして自分の意思を伝えるということだ。全てがこうだとは言えないが、気が強く意思をハッキリ伝える国民性だと思っていたので、少し驚いたし、この話から、日本人的な雰囲気を感じた。また、ハッキリ言わないといけない場面と、遠回しに相手に遠慮して伝えないといけないバランスが難しく、私はこの違いを使いこなす事が出来ない。中国社会でもっと経験を積む必要があると感じた。