各地の日中交流ニュース

2022年9月1日号 /

中国人殉難者慰霊碑を全面改修、除幕式と慰霊祭を開催

・北海道旭川日中友好協会

7月7日、北海道上川郡東川町で、第二次世界大戦末期に強制連行され、遊水地建設などで過酷な労働条件の下で亡くなった中国人殉難者の慰霊碑の除幕式と慰霊祭が行われた。

慰霊祭は旭川日中友好協会が碑管理委員会の事務局を務め、盧溝橋事件勃発の7月7日に毎年実施しているもので、今年は日中国交正常化50周年と碑建立50周年に当たり、損傷の激しい慰霊碑の全面改修を行い、除幕式と慰霊祭を開催した。

当日は、劉亜明中華人民共和国駐札幌総領事、中国人留学生、華僑や東川町、旭川市の関係者、友好協会会員ら約70名が出席した。

除幕後の慰霊祭では、大橋政美慰霊碑管理委代表、東川町長、旭川市長、撫順の奇蹟を受け継ぐ会北海道支部長が追悼の言葉を述べ、参加者が順次焼香し、殉難者の冥福を祈った。最後に挨拶に立った劉総領事は「長年にわたり慰霊祭を開催されていることに感謝します。慰霊祭は慰霊の場だけでなく、今後の日中友好を進める大きな意義のある事業だと思います」と述べられた。

1942年の閣議決定により、全国の135事業所に約4万人の中国人が連行され、そのうち半数の2万人が北海道に配属されたと言われている。東川町では終戦の1年前の9月に338名の中国人が強制連行され、1年足らずの間に88名が死亡した。

参列者一同、異国の地で命を落とした88名に哀悼を捧げるとともに、再び日本が戦争への道を歩むことのないよう、深い反省とともに日中平和友好の誓いを新たにした。彼らの犠牲により築かれた遊水池は今もなお東川町の美味しい米作りに貢献している。

(会長 鳴海良司)

 

留学生と七夕祭りを楽しむ

・宮城県日中友好協会 女性委員会

三年ぶりの仙台七夕まつり。宮城県女性委員会も恒例の「ゆかた祭り・着付け体験会」を8月8日午前から国際センターで開催しました。初めに水戸憲子委員長が「日中友好交流の大切さを共有し、楽しい思い出を作ってください」とあいさつ。鎌田菊江運営委員による仙台七夕の由来について学んだあと、男女15人の中国留学生は西村艶子副委員長を中心に着付けを手伝っていただき、楽しく交流をしながら着付けを体験しました。このあと記念撮影(写真)を行い、市内の伝統的な七夕飾りに繰り出し散策や食事を楽しみました。参加した皆さんは「すごく美しい七夕飾りです。めっちゃ、楽しかったです」と感想を寄せていました。

 

江蘇省宿遷市と福島県喜多方市が友好都市協定を締結

・福島県日中友好協会

宿遷市と喜多方市との友好都市協定締結式は、7月28日に中国駐新潟総領事と喜多方市長、そして約20名の関係者により、厳かに執り行われたことをご報告いたします。

協定締結:(左)陳忠偉宿遷市長、(右)遠藤忠一喜多方市長

2014年に交流がスタートしてからここに至るまで、両市は互いに往来を重ね、相互理解を図ってきたところであります。私自身も2019年に宿遷市を訪問し、大変温かい歓迎をいただき、豊かな自然や、豪奢なホテル、活気ある街並みを目の当たりにしたところであります。点心をはじめとした料理も、大変美味しくいただきました。

福島県は震災以降、海外交流がやや下火になっていたところもあるかと思いますが、今回の友好都市締結を契機として、ぜひ交流が活発になればと期待しております。経済・貿易等の交流促進はもちろん、スポーツ、教育、文化等の多分野における新しい交流の幕開けとなることを願っています。

有数の酒処でもある両市が、お互いの都市の魅力を発信することにより、市民同士の理解の醸成や往来を伴う交流へつながる未来を楽しみにしております。

コロナ禍で協定締結が数年遅れましたが、喜多方市在住の私も市民の一人として、両市の永遠の友好に全力を尽くしたいと思っております。

(会長 遠藤 久)

記念碑除幕:左から、孫大剛駐新潟総領事、遠藤忠一喜多方市長、渡部勇一喜多方市議会議長

日中友好の総会で民間交流の意義を語る

・群馬県日中友好協会

群馬県日中友好協会の総会は7月27日、第7波のコロナの中で行われた。総会には駐日中国大使館聶佳参事官をはじめ井下泰伸県議会副議長、橋本逸男(公社)日中友好協会副会長らが出席した。

冒頭、私は言った。「この総会は特別のものです」。勿論ウクライナ戦の関係である。私が強調したことは米中の間に立つ日本の役割と日中民間交流の意義である。中国の強大化と現状に日本は懸念を抱いている。群日中は尖閣問題の緊張の中でスタートし、その中で民間交流の意義を学んだ。今回の危機はあの時の比ではない。日本はかつてない国難に直面している。私は中国人の若者の日本語による作文を紹介した。これは、日中両国で「最も影響力のある日本語作文コンクール」と言われる中の一つである。中国の若者たちが翻訳を通さずに直接日本語で書いた生の声に接し私は日中の限りない未来への可能性を確信することができた。大連外国語大学生の張さんは訴える。「中日友好の鍵は民間にあります。将来の中日関係も民間人の手に握られているのです」。私は共通の理念を持つ若者の心に胸を躍らせた。今年は日中国交正常化50周年である。そこでは恒久の平和が約束された。それを支え発展させるものは日中の民間交流であると訴えて最後の言葉とした。満堂の拍手は今後の日中の発展を望む民間人の声であった。

(会長 中村紀雄)

【上】挨拶:中村紀雄会長 【左下】記念講演:聶佳参事官 【右下】中国伝統芸能披露「変面パフォーマンス」

 

聶耳記念碑碑前祭3年ぶり開催
聶耳作曲の中国国歌が奏でられる中で

・神奈川県日中友好協会

7月17日、藤沢市・鵠沼海岸の聶耳(ニエアル)記念広場で3年ぶりとなる聶耳記念碑碑前祭が開催された。主催は聶耳記念碑保存会。コロナ禍を鑑み参加人数を制限して挙行、23歳で藤沢の海岸で亡くなった偉大な作曲家を偲んだ。藤沢市消防音楽隊が「川の流れのように」を演奏し開会。主催者を代表して保存会の渡辺光雄会長が挨拶した。

続いて鈴木恒夫藤沢市長が「聶耳先生が結んでくれたご縁で藤沢市と中国・昆明市が友好都市となって41周年を迎えた。今年は聶耳先生生誕110周年、日中国交正常化50周年にも当たり、より一層の日中友好に努めたい」と述べた。

【左】鈴木恒夫藤沢市長が挨拶 【右】来賓の施泳中国大使館公使

17人が出席した中国大使館からは、施泳公使が「昨年の東京オリンピックを思い出す。藤沢で行われたセーリング競技で中国選手が金メダルと銅メダルを獲得し聶耳作曲の中国国歌『義勇軍行進曲』が流れた時は感無量だった」と挨拶した。

その中国国歌を音楽隊が奏でる中、出席者全員で黙とうと献花が行われた。

昆明市からの心のこもったメッセージも披露。来賓として敷田博昭神奈川県議会議長、伊藤洋平(公社)日中友好協会理事、柳田秀憲湘南日中友好協会会長、飯田助知横浜日中友好協会会長、県日中からは上島保則副会長が出席した。

(広報部長 吉田雅英)

【左】藤沢市消防音楽隊が聶耳作曲の中国国歌を演奏 【右】柳田秀憲湘南日中会長(中央)、上島保則県日中副会長(左)も献花

写真展・絵画展と協会52年の歩みパネル展を開催

・神奈川県横浜日中友好協会

日中国交正常化50周年記念行事の一環として横浜日本中国友好協会の主催で7月18日(月)から20日(水)の3日間「かながわ県民センター1階展示場」で開催した。写真展「中国残留婦人―家族―」 、絵画展「中国を描く・我画中国」には、中国と日本の画家8名が出品した。また、協会創設52年間の歩みパネル展示も行った。

作品を背景に 飯田会長と川浦みさき画伯・会員

写真展開催と併せて千島寛さん(協会会員)が写真集「中国残留婦人―家族―」(神奈川新聞社刊)を刊行、発売した。

1945年の敗戦時、旧満州(現中国東北部)から帰るに帰れなかった13歳以上の女性を中国残留婦人と呼ぶ。極限の辛苦を味わい、故郷に焦がれながらも中国での新しい家族とともに生きた知られざる女性たちの人生譚をフリーランスカメラマン千島寛が写真集に収めた。

是非とも写真集を購入頂き、戦争が生み出した「知られざる女性たちの人世譚」を記憶に留め、作者千島さんの思いの何かを感じ取って欲しい。

(事務局長 小松崎 勇)

『中国残留婦人 ―家族―』千島寛写真集 (A4変型判、全カラー120ページ、2,500円 、神奈川新聞社) 購入問合せは、横浜日本中国友好協会 E-mail:info@yokohama-jcfa.jp まで

 

中国駐名古屋総領事館
劉暁軍総領事 離任レセプション

・愛知県日中友好協会

7月13日、ヒルトン名古屋において、劉暁軍総領事離任レセプション(中国駐名古屋総領事館主催)が開催された。日中友好協会からは、岡﨑温(公社)日中友好協会理事長はじめ、愛知県・後藤泰之会長、岐阜県・杉山幹夫会長、三重県・舟橋裕幸会長、富山県・金尾雅行会長ほか中部6県の協会関係者が多数出席した。

離任の挨拶に立った劉暁軍総領事は、3年5か月の在任期間中を振り返り、「任期の半分以上が新型コロナ禍にあったが、その中で日中両国民が手を携え、助け合って、困難な時期を乗り越えたこと、また、昨年のピンポン外交50周年記念事業の成功など、忘れられない思い出が数多くできた。日中国交正常化50周年の節目を迎えた今、未来に向けて新たな挑戦と改善を試み、このような時代にあって、まさに「民を以て官を促す」日中交流が求められている。今後も引き続き総領事館にご理解とご協力をお願いしたい。」と語った。

離任の挨拶をする劉暁軍総領事

続いて、来賓を代表して、後藤泰之・愛知県日中会長はじめ、近藤昭一・衆議院議員、大村秀章・愛知県知事らが挨拶し、それぞれの思い出と感謝を語った。その後、岡﨑温理事長の乾杯の発声で宴に入ると、劉総領事は全てのテーブルを回り、出席者に感謝を伝えた。

劉暁軍総領事は、親しみやすい人柄で信頼も厚く、レセプション出席者はもとより、会場に行けなかった人たちも含め、劉総領事との別れを惜しんだ。

劉総領事は7月20日に名古屋を離れ、成田から帰国した。

(事務局長 林 智子)

乾杯の挨拶をする岡﨑温理事長

 

大津市日本中国友好協会 設立しました!

・滋賀県大津市日中友好協会

8月7日、大津市日本中国友好協会が総会での出席者決議を得て正式に設立されました。(公社)日中友好協会・大薮常務理事の宿願でもあったとお聞きしましが、滋賀県内では彦根市、長浜市に続いての設立となります。設立総会には中国駐大阪総領事館から方総領事、王副領事がお越しいただけ、祝辞を〝不慣れな日本語だが直接言葉を言いたい〟と日本語で述べられ受け手の我々は設立を大事に思ってくれている気持ちに感動と今後の責任を感じました。

又、京都府日中田中会長が祝辞登壇され、先の西日本日中友好交流大会で薛総領事が言われたお言葉を紹介され〝三方よし〟の〝相手良し、自分良し、世間良し〟を中国語では〝您好、我好、大家好〟いう言葉に置き換わるのだと紹介をいただきました。当日の会場では現職知事としては唯一、三日月知事が出席したことからも今後は滋賀県が日中友好活動の中心になるかもしれない、そんな大それた思いさえさせていただきました。

世界に通じる滋賀県の代表的な言葉〝三方よし〟を今こそ友好活動の考えの柱にしていけるのではないかと感じました。大津市日中設立後の次の目標は滋賀県日中友好協会の再建です。大薮常務理事を中心に関係団体・関係各位と連携を取りながら取り組んで参りたいと思います。全国の皆様のご支援・ご協力を引き続きお願い申し上げます。

(事務局長 上松成人)

 

福岡市日中友好協会理事会9人が総領事館を表敬訪問
―和やかな雰囲気の中、今後の日中友好運動の推進を確認!―

・福岡県福岡市日中友好協会

福岡市日中友好協会(落石俊則会長)は、7月13日、中国駐福岡総領事館に表敬訪問をして律桂軍総領事らから熱烈歓迎を受けて和やかに懇談をしました。

この企画は、定例理事会での成瀬穫美理事(福岡市議)からの発案と、総領事館のご厚意で実現したもので、こうした催しは「コロナ感染」等もあり、最近では3年ぶりの公式の行事となりました。市日中友好協会からは、落石会長をはじめ9人の理事が参加しました。参加者が多数ということで、大きな応接間での懇談会になりました。最初に、律桂軍総領事が「安倍元総理のご逝去に対して特別の哀悼の表明と総理在任中の日中関係改善の努力に感謝する」旨の挨拶をされた後、「福岡市日中友好協会の皆さんが、以前から日中友好運動の推進に努力されていることに感謝します。正常化50周年の今年もご活躍されることを祈念します」と述べられました。続いて、落石会長が「久しぶりの訪問です。6月の市日中総会で来賓挨拶をしていただき有難うございます。ここ数年、コロナ感染で会員の楽しみの『餃子の会』『牡蠣小屋交流』などの行事が開かれず残念でしたが、早く復活できるよう願っています」と述べました。

その後、参加の理事一人ひとりが、自己紹介を兼ねて各人の中国との関わりや思いなどを発言しました。律総領事は各人の発言に肯きながら聞き入っておられました。

その後、「新時代にふさわしい50周年記念行事」や「最近の日中、米中関係」「日本人の中国観」「民の力で官を促す」「日中首脳会談の早期実現」などの意見交換を行いました。

次に、館内を案内してもらって、リラックスした雰囲気の中で懇談したりした後、記念写真を撮って会場を後にしました。

(事務局長 中村元氣)

 

「7・7日中不再戦の集い」律桂軍総領事迎えて

・福岡県大牟田地区日中友好協会

福岡県の大牟田地区日中友好協会は、7月3日、この二年間コロナのために開催できなかった毎年恒例の「7・7不再戦の集い」を三年振りに開催した。

1937年7月7日、中国の北京郊外盧溝橋で、一発の銃声から日中戦争の発端となった歴史的事実の反省から、二度と戦争はしまいという集いである。

当日は、中国駐福岡総領事館からは律桂軍総領事、関麗敏領事、市からは関好孝大牟田市長が参加し、友好団体関係者併せて50名が参加した。

コロナ禍で人数を制限して行われたが、会場は大いに盛り上がった。

講師は大牟田在住の松井小百合さんで、「命の紙芝居」と題して、長崎原爆の話と中国からの引揚者の話の二本が上演された。

参加者全員、平和について考える一日となった。

(事務局長 真弓省吾)

 

大分県日中総会開く
―節目の年に情報発信の強化を―

・大分県日中友好協会

大分県日中友好協会は7月18日(月・祝)大分市のアートプラザで2022年度定期総会を開催した。

開会前に故高倉秀志顧問を始めとする物故者への黙とうを行った。

会員41名が出席(委任状を含む)し、議長に原田孝志氏を選出し議事を進めた。釘宮磐会長から「新型コロナウィルスの影響により昨年度の活動に大きな制約を受けたが、その中でも知恵と工夫により最大限の活動ができた。

今年は日中国交正常化50年の節目にあたるなか、ロシアのウクライナ進攻、香港、台湾問題など政府間の交流は依然として厳しい。本部((公社)日中友好協会)の丹羽宇一郎会長から、こういう時期こそ民間レベルでの交流の大切さ・必要性を総会で力説された。

大分県レベルでも引き続き相互交流を進めていきたい。」との挨拶があった。

来賓として大分県国際政策課三股耕二課長の挨拶、協会本部からのメッセージが披露され議事に入った。

昨年度の主要な活動として、コロナ禍の中でも中国語スピーチコンテストをオンラインで成功裡に開催したことが報告された。次年度は情報発信のデジタル化でオンラインを使い協会内の会議、友好都市間でのコミュニケーションの活用、ホームページの作成などに挑戦することを決定した。

また、森山義治役員選考委員長から新役員選考結果の報告があり、新たに2名の理事が承認された。

(事務局次長 小野健一)