中国語で人生が変わった 魅力ある言語を広めたい

2023年11月1日号 /

日本最大級の中国語学習スクール「毎日中国語コーチング」を運営
鐘築拓也さん

1998年、兵庫県生まれ。神戸市外国語大学卒業。在学中の2018年、(公社)日中友好協会中国政府奨学金留学生として武漢大学に留学。2020年、第37回全日本中国語スピーチコンテスト全国大会大学生部門1位。独自の中国語学習法を確立し、各種SNSで発信している。

《絶賛発信中!》
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大学入学時、センター試験の結果から中国学科を選択しました。中国語を学び始めてから、中国の奥深い歴史や文化など、それまでメディアを通してしか知らなかった中国とは異なる中国を知りました。それで、もっと中国語を話せるようになりたいと思い、中国政府奨学金を受給して武漢大学に留学しました。

留学中、中国人の優しさをたびたび実感しました。たとえば、春節の文化を学びたいと言うと、友達が春節に実家に招いてくれました。そこで友達のおじいちゃん、おばあちゃんとも一緒に年越しをし、新年のあいさつ回り(拜年)にもついて行って、お年玉ももらいました(笑)。中国に対する印象は、留学中に大きく変わりました。

中国語を究めたいという気持ちは留学後も変わらず、スピーチコンテスト出場やHSK(中国語検定)取得を目標に勉強を続け、2020年、全日本中国語スピーチコンテスト全国大会で1位になりました。勉強を頑張った証が欲しい気持ちもあって挑戦しましたが、努力が実ってうれしかったです。

実は、中国語習得のために日本のテーマパークでアルバイトをしたことがあります。免税の説明や接客用語を覚えたのですが、中国人観光客にそれがまったく通じませんでした。また、中国に留学してみて、日本の学校で学ぶ中国語はテキストに準拠しがちで、日常的に使う生きた中国語ではないと気づきました。

そこで、自分が経験した挫折をせずに生きた中国語を身につけるノウハウを構築し、それを多くの中国語学習者に届けたいと思い、SNSで発信を始めました。おかげさまで、開設から3年ほどで日本最大級の中国語学習のアカウントに成長し、今では数百人の方が受講しているコーチングスクールの運営までできるようになりました。留学中に知り合った友人も、運営を手伝ってくれています。学習者を支援する側になった今、中国語に出会って人生が変わったなとつくづく思います。

中国語の最大の魅力は、世界中の人とコミュニケーションをとれることです。中国語を公用語としている国があるのはもちろん、世界中に中国人が住んでいて、中国語を学んでいる外国人も世界中にいるからです。また、中国語がわかれば、長い歴史をもつ中国から日本が多大な影響を受けたことが分かります。歴史認識の相違など、日本とは異なる部分についても、中国語が分かれば中国人がどう学んでいるかを深く知ることができます。中国語を学ぶことで価値観が広がり、思考の幅が広い人間になれるのです。

そんな、人生までをも変えられる魅力的な言語である中国語を、もっと広めたいです。中国語は日本人に馴染みがありそうですが、習得するのは難しい。けれども、自分に合った学習環境と方法、時間さえ確保すれば、話せるようになると確信しています。加えて、自分が勉強している理由を常に念頭に置き、目標を設定してモチベーションを高く保ちながら勉強するのが効果的だと思っています。

9月、スピーチコンテスト1位の副賞として北京に行き、日中友好大学生訪中団員に講演した際、SNSを見てくれている学生に会いました。彼らのような学習者が中国語をしっかり習得し、目標を達成できる環境をより広められるよう、今後も誇りと責任を持って運営してまいります。

(本紙広報部)