歌を通して中日の〝架け橋〟になりたい

2018年11月1日 /

モデル・歌手
ロン・モンロウさん

1994年湖南省・湘西生まれ。土家(トゥチャ)族。中国名は龍夢柔。高校まで地元で過ごし、上海海洋大学へ進学。在学中の2015年にテレビのオーディション番組でグランプリを獲得し一躍有名に。17年頃から本人が投稿したSNS 画像が日本で話題となり、テレビなど多くのメディアに取り上げられる。日本各地で観光大使として、またCMや地上波テレビドラマなどで活躍している。楽曲はオフィシャルサイト(https://ron-monroe.com)から配信中!

 

 

9月に15万人を動員して大盛況だったチャイナフェスティバル2018。そのメ―ンステージで両日ともに歌声を披露した。日本初ステージだったこともあり緊張感もあったようだが、大いに盛り上がりを見せた。

「初日は出演時間が夜だったのでお客さんの顔が見えなくて不安でしたが、2日目は明るい時間で顔がよく見えてホッとしました」

学生時代にオーディション番組で”栄冠”

上海海洋大学在学中の2015年にCCTV(中国中央テレビ)のオーディション番組「おいで!シンデレラ(来吧!灰姑娘)」で見事グランプリを獲得。親との約束で学業を優先させるため、芸能活動はセーブしてきた。

その後、大好きな日本の俳優の小栗旬さんから栗を取った「栗子」という名前でSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で情報発信する中で日本での知名度を上げ、今年3月に日本のテレビ番組への出演を果たす。大学を卒業した今年6月以降は拠点を東京に移して本格的に芸能活動を始め、CMやドラマに出演。6月20日にはカバー曲「PLANET」で歌手デビューを果たした。17年春の初来日以来、日本には旅行で6回ほど来日しており、日本人の印象は「仕事がきめ細かい」と感じている。

日本に興味を持ったのは、幼いころに従兄弟が日本の雑誌や漫画を収集していてそれに触れたことがきっかけ。今後は歌手活動へ力を入れ、日中の著名なアーティストが共演するようなイベントなどを通じて「日本人に中国の文化を、中国人には日本の文化を伝える、架け橋となるような歌を届けたい」と意気込む。

日本語習得に励む「両親を招きたい」

現在は日本語習得に励み、仕事の傍らレッスンへ通い磨きをかける日々を送る。9月19日に発売された大塚 愛さんの楽曲を中国語でカバーした「TOKYO漫歩」のように、毎日電車に乗って通勤通学をしたり、東京を散歩したりして日本文化を吸収している。

芸能界入りを心配していた両親も今は日本での活動を応援してくれており、関西を襲った台風や北海道の大地震の際には心配させまいと「ウィーチャット」ですぐに無事を知らせた。「もっと頑張って両親をぜひ日本へ招待したい」

10月にはNHK「テレビで中国語」にゲストとして初出演。日本デビュー後はアジア諸国からの出演依頼も増えてきたという。来年は日中を含むアジアでの活躍機会が増えていていきそうだ。
(丸田智隆)