今どきのお得な「貧乏人セット」

2024年5月1日号 /

大家好~麻雀スズメのNANAだよ。暖かくなり外に遊びに行く機会が増えるけど、金欠で食いしん坊のNANAは外で何を食べるのかいつも悩む~。今回はこんなNANAにぴったりな「貧乏人セット」(穷鬼套餐)を紹介するよ!


中国版インスタグラム「小紅書」によると、「貧乏人セット」に関する投稿数は昨年下半期で1日平均2366件、2024年初めから3月中旬までの投稿数は5799件、さらにこの半月で投稿数は8265回に急増し、今、若者と若者をターゲットにしたブランドの間でホットな話題になっているよ。

そもそも「貧乏人セット」とは? 一言でいうとお得感を強調する商品やセットのこと。もともと、ファーストフードが類似の概念を打ち出したんだけど、その典型的なものは、指定の枠から製品を組み合わせ、割引価格で購入することができるマクドナルドの「気ままに選べる2点セット」や、ケンタッキーの「お値打ちランチ」シリーズなど。このファストフード大手の取り組みが「貧乏人セット」の流れをリード。「消費の格下げ」時代が到来する中、新規顧客を得て、消費の頻度を増やすため、この流れを受け、たくさんの飲食ブランドが「貧乏人セット」市場に参入! 若い消費者はより手頃に美味しい「貧乏飯」を食べる方法を見つけ、SNSにシェアしているよ。

例えば、中華ファーストフードの南城香は、お粥や豆乳、お豆腐など7種類の朝食メニューが選べる3元の朝食バイキングを実施。朝鮮族料理のファーストフード店、米村拌饭では、ネットユーザーが3元の白飯を注文するとおかわり無制限で無料のわかめスープとキムチがついてくる「貧乏人セット」をシェアし話題になったよ。

「貧乏人セット」ヒットの背景には、消費者がただ安いものを求めるのではなく、よりお得に良質な製品を買うことを重視する全体的な傾向があるみたい。会員制スーパーマーケットのサムズ・クラブでも最近、1.59キロ21.9元の卵、7個入り23.9元のベーグルなど庶民的な価格だけど、市場価格と比べると安いとは言えない「貧乏人セット」が人気に。そもそも260元を支払って会員になるのは中間層なので、本当の意味で「貧乏」とは言えないことが議論になったよ。また、客単価1000元の高級レストラン「新栄記」は、398元の「貧乏人セット」を発売。こちらも、より幅広い客層のニーズに対応するための取り組みだね。


飲食ブランドは、「貧乏人セット」を提供することで、市場の変化に対する感度と適応能力を示すことができるし、消費者のお得感やコストパフォーマンスを求める需要を満たすことで、市場の競争力を保つ効果があるよう。それに、「貧乏人セット」の話題は若者のSNS拡散につながりやすく、口コミ効果による新規ユーザーの取り込みにもつながるね。NANAも「貧乏人セット」探しを趣味に加えようかな? じゃあ、またね!

文◎新出歌名子(北海道出身、北京在住。清華大学MBA修了)

たくさん働いた後は、「貧乏人セット」で自分を労わろう!