今どきの〇〇友

2023年10月1日号 /

大家好~麻雀スズメのNANAだよ。『食欲の秋』『スポーツの秋』『読書の秋』そして『趣味の秋』…10月は何かと趣味や新しいことに没頭する季節。新しい“搭子”を探さなきゃ! ここ最近、若者たちの間では、“搭子(dā zi)”という新しい付き合い方が流行っているよ。今日はその「搭子スタイル」について紹介するね。


2007年出版された《上海話大辞典》によると、“搭子”は、もともと一緒にカードゲームをする人のこと。そこから派生して、(何か具体的なことを一緒にする)仲間という意味で使われるようになったみたい。日本で言うところの〇〇友に近い感覚だね。“搭子”の関係になるのは、同僚や同級生、もともと友人関係だった人がほとんどだけど、中にはSNSやイベントを通して知り合った人も含まれるよ。“恋愛はしなくてもいいけど、搭子がいないのは耐えられない”という人がいるほど“搭子”は多くの若者にとっての“生活必需品”になりつつあるようです。

一番ポピュラーなのは、飯搭子(メシ友)。味の好みが同じ人と飯搭子になれば、一人では一品しか注文できなかったけど、一緒に何品か料理を頼んでシェアすることが可能になるし、費用も割り勘にできるというメリットがあります。そして、旅行搭子(旅行仲間)。旅行に対して同じ趣向や価値観を持つ仲間と旅行搭子になることで、効率的に観光地を回ったり宿泊費用をシェアしたり、困った時には助け合ったりと便利。旅行搭子を探すアプリも出ているよ。他にも、勤務時間に同僚のウワサ話や仕事と関係の無い話を共にする摸鱼搭子(サボり仲間)、励まし合いながらダイエットをする减肥搭子(ダイエット友)。国内国外のアイドル追っかけを共にする追星搭子等々、 “搭子”にならないものはないほど。

“搭子”の魅力は、気楽+簡単+効率的な関係。「知り合い以上、友人未満」な関係は、シンプルに共通の趣味や需要、目的で結ばれ、一定の距離感を保ちながら気楽に付き合い、お互い助け合うことができる存在。「趣味の範囲では互いに寄り添い合うけど、互いに干渉しない」という今の若者の特徴にマッチするスタイルとも言えるね。


生活のテンポが速く、複雑化する人間関係の中で、無意味な交際コストを減らして、精神的な満足感を得ることができる“搭子”。友達のあり方や付き合い方も、趣味やニーズに応じて“細分化”されつつあるみたい。皆さんの生活の中にも“〇〇搭子”はいますか? じゃあ次回、またね!

文◎新出歌名子(北海道出身、北京在住。清華大学MBA修了)

秋も深まり、仲も深まる 美味しい焼きサンマ!