オンラインで「草を植え」、オフラインで「その草を抜く」若者たち

2022年5月1日号 /

大家好、麻雀スズメのNANAだよ! 5月は新緑が気持ち良く、外に出かけて「草を抜く」のに絶好の季節。今日は、いまどきの若者の消費観念とその特徴を紹介するね。


オンラインで「草を植え」、オフラインで「草を抜く」

Z世代(1995年~2009年生まれ)はインターネット原住民で、インターネットを中心にしたライフスタイルを送っています。彼らの消費は今後も、エンターテインメント化、双方向の体験、コンテンツ化された方式が好まれる傾向にある、と言われています。若者たちはコンテンツの消費者であると同時に、生産者であり共有者。欲しいものができたときには、まずSNS上やショッピングプラットフォーム上で他の購買者からの評価・コメント欄をチェックすることから開始します。例えば、旅行前にはネットユーザーが書いた攻略と観光地の評価をチェックしたり、服を購入する際は、ネット上でコーディネイトを学んだり、口紅を買うときは他の購入者が撮った色試し映像を見たりします。こうしてインターネット上で「种草:草を植え」(=購買意欲を植え付け)てから実店舗に出かけ「拔草:その草を抜き」に行く(=実際に購入する)、ということです。

理性的な消費

中国のZ世代は「価格を比べる」ことが好き。細かく計算してコストパフォーマンスが高い商品を選びます。彼らは特定のプラットフォームに忠実になることなく、複数のプラットフォーム上で価格を比較し、最適の価格のプラットフォームを選んで製品を購入するようです。試用品、サンプル品も大好きで、高品質を追求すると同時に、盲目的に買い物をすることはないとのこと。

個性的な消費、趣味はプライスレス

一方で、理性的ではない一面もあります。彼らにとって、精神的な楽しさはある種の「生活必需品」! エンターテインメント関連や、自分の趣味に対するお金には糸目をつけない。また個性を重視し、国潮(中国伝統要素を取り入れたファッショントレンド)、カスタマイズされた体験や限定品を好むそうです。


最後に以前、中国の友人から聞いたお土産話を紹介するね。友人が京都観光に行ったときのこと、街にたたずむ凛とした和服の女性がいた。SNSにシェアして自慢しようと、記念に写真を一緒に撮ってもよいかと友人はたどたどしい英語で女性に尋ねた。すると、「可以!」と中国語で返事が返ってきたとさ♪(※彼女も中国からの旅行客で和服のレンタルサービスを利用して観光していた)。

コロナ禍の今、いかに魅力のある「草」を提供し「植え付ける」ことができるか。ウィズコロナ・ポストコロナの課題だね。それでは次回をお楽しみに!

文◎新出歌名子(北海道出身、北京在住。清華大学MBA在学中)

「インターネット上でモデルが着ているときは素敵だったのに・・・現実は残酷 泣」