「今どき」の賞味期限

2022年4月1日号 /

大家好、麻雀スズメのNANAです! 4月に入り、中国は春の野遊びに出かける“踏青”の季節。外で手軽に食べられるおやつやスナックを買う機会も増えてくるね。

今回はここ数年、中国で注目をあびている「賞味期限が近い食品」についてご紹介するね!


あるリサーチ会社のデータによると、中国のおやつ業界の市場規模は2020年で3万億元、食品市場規模は300億元と言われています。アリババグループの関連データ統計によると、年に210万人がオンラインショップで賞味期限間近の食品を購入しており、関連食品を扱うオンライン店舗は数千軒、実店舗も北京や上海などの大都市を中心に台頭しています。

正規販売店で購入した大部分の賞味期限間近の食品は、保管方法がきちんとしているため、栄養、色、口当たりなどに多少「難」があったとしても安全・品質上は問題がなく、値段は通常の3割引~半額になります。

主な消費者は、やり繰り上手な主婦の方が多いのかな?と思いきや、実はその多くが都市に住む、Z世代の若者たち、収入も低くないとのこと。こうした若者は、節約すること以上に、コストパフォーマンスの高さ、食品ロス削減に同調する意識の高さから、賞味期限間近の食品を好んで購入しているようです。

あるコミュニティ・サイトで立ち上げられた“賞味期限間近の食品が好き”グループの参加者が1年間で8.6万人に急増したこと、“消費主義の逆行者”グループの参加者が27万人に達したことからも、一定規模の若者が賞味期限間近の食品に関心を持ち、コミュニティ内やSNS上で自分が買って良かったと思う目玉商品や失敗経験などの情報交換を通して、理性的な消費観念を示す態度が見られます。

その背景には、コロナ禍で若者たちのオンライン購入が益々促され、実店舗の食品在庫品をさばく需要が切実に出てきたこと、消費者が節約やコストパフォーマンスを追求するようになったこともあると考えられます。


賞味期限間近の食品が売れるようになったことは、若者の消費観念と生活習慣の変化とつながりがあると思う。ある意味、日本でいう「もったいない」の文化が、中国の若者の間にも「かっこいいもの」として根付き始めているのかもしれないね。

環境保護や食の安全が叫ばれる今、供給の安定性や規範化など様々な課題を乗り越え、中国の賞味期限間近の食品ビジネスが今後どのような方向に動いていくのか、要注目だね。

それでは、次回の「今どき」をお楽しみに!

文◎新出歌名子(北海道出身、北京在住。清華大学MBA在学中)

お友達と一緒に春の遠足中。「ぼたもち」はさすがに作りたてが一番!