「今どき」のマイホーム購入事情

2022年6月1日号 /

大家好、麻雀スズメのNANAだよ! コロナ禍で自宅隔離が日常化し仕事に変化が起こりうるこの時世、精神的な安心感を求め、住宅購入がたくさんの若者の目標になっているようです。テンセントグループが今年1月に発表した「2022中国居民購房意願調査報告」によると、今後5年間は、80年代・90年代生まれが住宅購入の主力層になるとのこと。今回は、若者のマイホーム購入事情を紹介するね!


それではまずyouth36krが今年、都市に在住する80年代~2000年代生まれの若者3200人に対して実施したアンケート調査の数字から見てみよう。すでに住宅購入した比率は、80―84年生まれが約56%、85―89年生まれが65%、そして90年代生まれの約40%。そして、未だ住宅購入を果たしていない人の8割以上が購入を考えているとのことでした。

調査結果によると、一線都市(北京・上海・広州・深圳などの大都市)で働く若者のほとんどが一線都市か新一線都市(杭州・成都・武漢・長沙など)を購入場所に考えており、自分の地元である地方に住宅を買おうとする人は一割程度。“一線都市は身体の置きどころがなく、田舎は魂の置きどころがない”そうです。購入にあたり、一番重視するのは、なんといっても都市での就職の機会。次に教育や医療資源、都市の発展ポテンシャル、とのことでした。

それでは、住宅購入にあたっての頭金はどこから来るのでしょうか? 正解は、その6割が両親からの支援(両親の貯金)。自分のお給料や貯蓄だけでば住宅購入には届かないようですが、面白いことに60-70%の90年代~00世代が30歳になる前に住宅を購入する計画があるのだそうです。

頭金は親からの支援に頼る若者が多いのですが、ローンを組んで毎月返済するのは自分自身。約半数の若者のローン月返済金額が給料の20%~50%を占めるようです。ある統計では、ローン返済額が給料の50%を超えると家購入における幸福指数が下がるとのこと。2007年の流行語にもなった“房奴”のように、高い住宅ローン(可処分所得の70%以上)を返済するため強いプレッシャー感じながら奴隷のように働く生活を選択する人も少なくありません。


マイホーム購入はいつの時代も人生の一大イベント、購入するタイミングとライフスタイルの変化は悩みの尽きないテーマ。結婚時に家を購入するかどうかについては、女性の方が男性よりも家を購入すべきと答えた人が多かったそうだよ。ただし、恋愛中(または結婚予定なし)の状態で住宅を購入する場合、男性は、“家を購入したから結婚できる”と考えるのに対し、女性は“家を購入したから独身でいられる”と考えることが多いそう。男女間で認識・価値観の差があるのが興味深いね。それでは、また次回の「今どき」で!

文◎新出歌名子(北海道出身、北京在住。清華大学MBA在学中)

“南”は“難”と同じ発音(nán)。“我太難了”は、人々が困難に直面した時の焦りを表す2019年の流行語です。マイホーム、買うべきか買わないべきか、“我太難了”。