5月24・25日、中国駐日本国大使館と中国駐名古屋総領事館の共催による中日青年合宿交流会が開催された。中国側からは張漪波公使参事官、季文斌副総領事ら16名、協会からは大学生訪中団や公費留学生のOG・OBら19名、他に岐阜県内から19名の青年が参加した。日本の青年と大使館・総領事館の若手職員との交流は、昨年9月の鬼怒川温泉での交流会に続いて2回目。
JR名古屋駅からバスで岐阜へ移動、岐阜市内のホテルに到着したのちは、早速5つのグループに分かれて討論会をおこなった。自由テーマでの討論会は、参加者それぞれの中国観や日本観を述べ、友好交流や政治経済、産業や学術などに意見を重ねて、お互いの理解を深めていった。観光や旅行にグルメといった話題となると、日中双方から出身地の特色が次々と紹介され、日本側からはまだ行ったことのない中国に大きな関心を示す参加者も多かった。
5つのグループから討論会の報告・発表がなされた後は夕食会へ。和気あいあいと日中・日日の交流が広がっていった。
2日目はまず岐阜市内の日中友好庭園を訪問。雨上がりの鮮やかな新緑の中で、国交正常化より10年も前に、岐阜市長の「日中不再戦」、杭州市長の「中日両人民世世代代友好下去」の碑文が交換された歴史を学んだ。
バスで多治見市に移動し、セラミックパークMINOでは「人間国宝 鈴木藏の志野展」を参観し、生活に根差した陶磁器文化に接した。昼食後は実際に美濃焼の陶芸体験をおこない、思い思いに「作品」が作られた。
語り、学び、体験を通じて理解と友好を深めた交流会は、日中友好のさらなる発展と次代への継承が大いに期待される意義深いものとなった。
(理事 横見幸憲)



参加者の声
井上勇一さん
大使館の方や参加者との議論は有意義で、カジュアルな雰囲気の中で率直な意見交換ができました。特に印象的だったのは、新技術の導入に際し、中国ではとりあえず試してから改善する、日本では安全性を重視する、という考え方の違いです。こうした違いを理解し、柔軟な姿勢で仕事や交流に取り組みたいと思いました。
大西あかりさん
日本人参加者の話から、中国の文化や人々と直接ふれる前と後で、中国に対する意見が大きく変わると分かった。情報が簡単に入手できる時代だからこそ、その正誤性を自分で判断する必要があると分かった。大使館の方のお話を伺い、また中国に行きたくなった。今後も、自ら中国に足を運んだり、中国の方と直接交流したりしながら、中国に対する考え方を深めたい。
片岡香樹さん
交流会を通して、日中両国の歴史的なつながりを発見し、より良い未来のイメージを構築できた。特に、国交正常化以前に友好の証として築かれた「日中友好庭園」の存在に驚き、民間レベルでの交流の大切さを実感した。社会人の方の話からは、普段とは異なる視点から日中関係を考えることができ、これまで以上に両国について考えていきたいというモチベーションを高めることができた。