「前期を振り返って」松永翔薫(上海外国語大学)

留学前期を振り返り、まず何よりも半年間を安全に、安心して、そして楽しく過ごせたことに感謝しています。中国での生活は、言語や文化の違いだけでなく、日中関係やそれに伴う人々の感情など、自分ではコントロールできない不安もありました。その中でも、大きなトラブルなく生活できているのは、日中友好協会の方々をはじめ、家族、友人の支えがあったからこそだと強く感じています。

この半年間、想像以上に多くの経験をしました。授業や日常生活を通して中国社会を内側から見る機会を得ただけでなく、自分自身の価値観や考え方を見つめなおす時間にもなりました。特に印象に残っていることは、日中関係が悪化した環境の中で留学生活を送ったことです。出発前から、中国という国に対しての不安の声をかけられることもありましたが、この半年間でその声がさらに大きくなりました。しかし、実際に現地で生活する中では、そうした不安とは裏腹に、日常は穏やかで、中国人の方々は一人の留学生として私を自然に受け入れてくれました。

もちろん、すべてが順調であったわけではなく、ニュースやSNSを通じてみるものの中には、緊張を感じるものも多くありました。また、考え方や価値観の違いから、簡単に理解できないと感じる場面を、日中両国から経験しました。それでも、そのような状況だからこそ、民間交流の大切さを強く実感するようになりました。国家間の関係がどうであれ、目の前にいる一人ひとりの人間との関係は、直接の対話や経験に積み重ねにより築かれているものだと学びました。また、こうした交流において、必ずしも「友好」や「完全な理解」を前提にする必要はないと感じています。分かり合えない部分があることは決して悪いことではなく、その違いを知り、認識しあえる環境こそが重要であると考えるようになりました。友好関係を築く以前に、まず交流できる場所があり、互いに知ることができること。この土台をこれからも大切にしていきたいと思います。

こうした考えは、日常生活だけでなく、各地への旅行を通して、より現実的なものとして感じることができました。この前期の間に、先月までのレポートでも触れてきましたが、5つの都市に訪れ、それぞれの場所で、また新たな中国に触れてきました。

中でも印象深かったのは、現在の日中関係の状況の中で、日本から友人がわざわざ会いに来てくれた際に訪れた黄山での経験です。来る前は多くの不安を抱えていましたが、旅行を通して中国へのイメージは大きく変わり、帰る前には「また来たい」、「次はもっと長く」、という声をもらいました。彼らから、実際に見て感じることの大切さを改めて教えられたように思います。友人たちの考えの変化の過程に、自分自身が関わることができたこと、そして今後への前向きな展望が感じられたことは、私にとって非常に大きな経験でした。これは中国に留学しているから得られたものであり、日中関係という枠組みの中で、自分の存在意義を初めて実感できた出来事だったのかもしれません。これから先も多くの人に中国を実際に見て、感じてもらいたいと強く感じました。

最後に、留学前期は、語学力や専門知識の向上だけでなく、国際関係や人と人とのつながりについて深く考えるきっかけを与えてくれた時間でした。日中関係という大きな枠組みの中で、一個人として何ができるのかは限られているかもしれません。それでも、実際に現地で生活し、交流を重ねた経験は、今後の自分の進路や考え方に確実に影響を与えていると感じています。多くの人に支えられ、ここまで楽しく充実した留学ができていることへの感謝を忘れず、支えてくれた人々に少しでも恩返しできるよう、また気持ちを新たに今後も努力していきたいと思います。

これからも、多くのことを経験し、自分自身成長できたこと、今の中国を私目線から伝え、多くの人に新たな発見を提供していきたいと考えています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

魯迅公園の日中友好碑

パンダ