「蒙古马精神」中野健太(中央民族大学 )

留学開始から2ヶ月が経過し、授業の予習復習にかかる時間など、生活のリズムが掴めてきました。今月のレポートでは①課外活動について②国慶節の休暇で行ったことの2点を記したいと思います。
私が留学している中央民族大学では、留学生全員が所属しているWeChatのグループにおいて不定期で課外活動の告知があります。参加を希望すると別のグループに招待され、詳細が送られるという手順です。これまでに、詩の朗読大会、万里の長城への遠足、河北
省での自転車レースなど、様々な案内がありました。本レポートでは私が参加した活動の内、特に興味深かったHICOOL(起業家サミット)参観について記述します。
10月中旬に北京の首都国際会議センターにおいて、HICOOLという起業家サミットが開催され、私は30人ほどの大学生と共に大学の引率のもとビジターとして参観しました。

全体的に近未来を感じさせる内容でどのブースも盛況

全体としては博覧会のような構成で、中国の先進技術や起業家育成に向けた取り組みを知ることができました。また、各国のコーナーでは中国のビジネスマンと担当者が商談を行っており、そのような雰囲気を体感するだけでも有意義な時間となりました。

日本からはJETROが出展しており許可を得て撮影。中国企業の日本進出や日系企業との協業の窓口を行っているとのこと。

このイベントで一際感じたのはAIとロボット分野での中国の勢いです。企業ブースでは産業用ロボットやAI分野の展示が特に多く、実際に担当者の口から説明を聞くことができました。実用段階の物からプロトタイプまで様々な種類の機械の稼働デモが行われています。

受粉を自動で行うロボット。果物や野菜の栽培で利用される。

顔写真を送るとAIが古代中国風に自動で加工し、ラテアートを描いてくれるサービスを体験。加工が強く少し恥ずかしいです(笑)

次に国慶節の休暇についてお話しします。中国では1949年10月1日に中華人民共和国の
建国式典が行われたことにちなみ、毎年10月1日から約1週間が大型連休となります。今年は中秋節も重なり、例年より1日多い8日間の連休でした。
新華社の報道によれば、今年の国慶節期間中の国内旅行者数は延べ8億8800万人となり、昨年比で1億2300万人増加したとのことです。増加分だけで1億人を超えることから、中国の人口規模の大きさが窺えます。
私はこの休暇に留学生の友人と共に内モンゴル自治区へのツアーに参加しました。留学生向けのクリニックが協賛しているツアーで、参加者もほとんど全員が留学生でした。内モンゴル自治区では草原での乗馬体験、砂漠の観光、内モンゴル博物館など魅力的な体験
が目白押しで素晴らしい経験になりました。
中でも、東アジア最大の博物館と言われる内モンゴル博物館はその規模の大きさに圧倒されました。内モンゴルの歴史を先史時代から現代まで知ることができ、中国の中でも特色あるこの地域が辿った歩みを学ぶことができました。

ゴビ砂漠の一部を観光。開発が進んでおり砂漠内には大型車での観覧など各種アクティビティが豊富。

内モンゴルの歴史に関する展示の出口付近にあった絵画。この展示は「内モンゴルを模範的な自治区にしよう」という旨の言葉で締められていた。

本来ツアーは2泊の予定でしたが友人と共に1日延泊し、内モンゴル自治区の中心都市フフホトに滞在しました。内モンゴル自治区には人口のおよそ18%を占める約424万人のモンゴル族が居住しており、街の端々で内モンゴルらしさを体感しました。
街の各所にチベット仏教の寺院があることや、店の名前にモンゴル語が併記なされていること、出店等でハラルの食品が多いことなど中国の中でも異なる文化圏に来たことを実感しました。

フフホトを代表する仏塔「混合座舎利宝塔」。後ろの壁には天文学史的にも貴重な資料が刻まれている。

フフホトにあるイスラム教の寺院「清真大寺」。近くのグルメストリートもおすすめ。

名物ハラルフードのチーズパン。チーズの味が意外とさっぱりしており、観光客に大人気。