「自己紹介、留学前の準備について」佐伯 茜(上海師範大学)

私が中国に強い関心を抱き始めたのは約5年前、中国の時代劇ドラマを観たことがきっかけでした。壮大な物語と随所に散りばめられた中国文化の魅力に惹かれ、もっとこの国について知りたいと思うようになり中国語の勉強も始めました。一方で、私は6歳からピアノを習い音楽大学に進学、卒業後は画廊で働くなど、文化芸術の世界に身を置いてきました。今後は私が得意とする文化芸術の分野で、大好きな中国と関わりを持ちながら日中の懸け橋となるような存在を目指したいと考え、この度の中国政府奨学金留学に挑戦しました。

 

社会人になってから留学を志すのは、簡単ではありませんでした。キャリアを積む同世代を横目に、仕事を辞めて学び直すという選択には勇気と覚悟が必要です。派遣先の学校が決定してから、私の留学準備はまず上司に退職の意向を伝えるところから始まりました。緊張しましたが、最終的には温かく背中を押してもらうことができました。また、退職時にはその年の残りの住民税を一括で支払う必要があり、留学前に何かと出費がかさむ中これがかなりの負担となりました。社会人で留学を目指す場合には、この点も念頭に置いておくことが必要です。

 

留学準備の中で、私が特に意識して取り組んだことが二つあります。一つ目は、中国語学習の実践化です。これまではオンラインレッスン中心の学習でしたが、留学を前に日中言語交流のミートアップに積極的に参加し、中国語ネイティブの方との対面での会話の機会を増やしました。二つ目は、読書を通じて中国に関する基礎知識を改めて深めておくことです。現地の人々と常識を共有できるよう、中国史や現代史の書籍をはじめ、『水滸伝』や『三国志』といった古典文学、魯迅の作品など幅広く読みました。

その他に、現地での交流のきっかけにと、得意なピアノで周杰伦の曲のレパートリーを用意したり、カラオケに行くことになった時に歌うための中国語の流行歌を練習したりもしています。

 

渡航後は、現地でしか得られない経験や人との出会いを大切にしたいです。そのためにも、できるだけ食事は一人で取らないように心がけようと思っています。また、文化芸術を通じて日中の懸け橋となるという目標に向け、学内外の芸術活動にもアンテナを張って、積極的に参加していきたいと考えています。

 

 

学生時代はピアノに打ち込む日々でした。

 

言語交流会のあとに、中国人メンバーおすすめの本場の味に近い中華料理を食べに行ったりもしました。

 

二年前に初めての海外旅行で訪れた上海。今度は留学生としてまた戻ってくることができ、嬉しいです。