「人生初めての入院生活――日本との違い」浅川愛美(北京語言大学)

中国の代表的な行事の一つである春節。その一週間前から、私は体調を崩していました。病院を受診すると、まさかの盲腸炎。人生初の入院が、中国留学中の北京になるとは思ってもみませんでした。

北京は首都ということもあり、外国人向けの病院やクリニックが数多く存在します。中には日本人専門のクリニックもあり、日本の海外旅行保険に加入していれば保険適用で診察を受けることができます。私も普段から利用しており、軽い発熱や体調不良から重症まで幅広く診てもらっていました。

入院の二日前から胃の調子がおかしく、あまり食事が取れませんでした。そのため、日本人専門のクリニックで点滴を受けていました。三日目の朝、少し動くだけでお腹に響くような激痛が走り、歩くことも困難になりました。再びクリニックを受診すると、そこでの対応は難しいということで、朝陽区にある私立の総合病院を紹介され、入院することになりました。

CT検査の結果、診断は急性虫垂炎でした。幸い、手術が必要なほど重症ではなかったため、点滴による保存療法で炎症を抑える方針となりました。

異国での入院生活では、大小さまざまな苦労がありました。主なものを挙げると、次の三点です。

治療や検査のため、水さえ飲めない日が続いた

消化器系の炎症だったため、とにかく消化器官を休ませる必要がありました。点滴で栄養は補給していましたが、五日間ほどほとんど飲まず食わずで過ごすのは想像以上につらいものでした。入院中は、退院後に食べる食事のことばかり考えていました。

基本的に中国語でやり取りするしかなかった

病院には日本語を理解できるスタッフはおらず、医療用語の中国語に四苦八苦しました。外国人向けの病院だったため、看護師を含めスタッフは英語ができるそうですが、私自身は英語が得意ではなかったため、中国語で意思疎通を図っていました。

主治医や看護師の方々は、私の拙い中国語を丁寧に聞き取り、簡単な言葉で分かりやすく説明してくださいました。そのおかげで、基本的な医療用語はある程度理解できるようになりました。

入院食が出ない

中国の病院では、日本と異なり、基本的に入院食は提供されません。その日に食べてもよいものを主治医や看護師に確認し、自分でデリバリーを注文します。

入院後半に私が許可されたのは、米汤(おかゆの上澄み)や鸡汤(鶏スープ)の汁のみで、固形物は禁止でした。空腹感が強く、精神的にもつらい時間でした。

日本では、症状に合わせて病院側が管理栄養士のもとで入院食を提供するのが一般的です。それに対し、中国では患者自身が食事を手配する必要があり、医療制度や入院の在り方の違いを強く感じました。

 

多くの人が暮らす北京ですが、春節期間中は帰省する人が多く、街は一変して静まり返ります。幸い、春節の一週間前に体調を崩したため、診察や入院が可能な状況でした。もし一週間遅れていたらと思うと、ぞっとします。今回の経験を通して、異国で生活することの難しさと同時に、支えてくれる人々のありがたさを実感しました。

部屋は、2人部屋を贅沢に一人で使わせてもらっていました。日当たりがとてもよく、快適に過ごせました。

基本的に毎日朝から晩まで点滴生活でした。

入院3日目にようやく許可された鳥スープは、具を取り分けて、汁のみを飲むことになりました。おいしそうな鶏肉を避けて食べるのは、精神的にきつかったです。