「中国留学を終えて 〜これからの私〜」渡辺 一晴(済南大学)

私にとって今回の留学は初めて海外でもありました。期待だけで勢いよく飛び出したような出発でした。この一年間の留学で私は多くのものを得たといえます。私の想像を遥かに超えた経験と友情を、知り合った全ての人に心から感謝しています。

同じ場所で集い語学の習得に励んだ仲間、人種、言語は違うけれどたくさんの体験を共有した人達。初めは中国語が互いに流暢ではなく、身振り手振りで伝えていた、もどかしくて英語を使う事もありました。拙いながらも会話を繰り返し共に学び、自由時間を楽しみ、生活する為に校外に出かけスーパーやショップを周り、日本とは異なるシステムやサービスに慣れていき難なく生活するまで成長することができました。

現地の人たちの交流は少しハードルが高く最初の頃は言っていることが全く理解できませんでした。語学力だけではなく文化と生活習慣の差は理解が追いつかず戸惑う事も多々ありました。そんな日々でも異文化を新鮮に感じ興奮した私は外国人である立場を満喫し、知らないから教えてくれと恥ずかしがる事を止め、ある日急に聞き取ることができるようになれました。そうなると毎日が楽しく、見たい、知りたいと行動し、信じられないくらい積極的になっていました。起きている時間全てが学びの時間へと変わったのです。 中国は想像以上に自分の肌に合い、食文化も街の息遣いもすんなりと馴染む事ができました。これば私にとってもてもラッキーでした。

街中で感じる歴史 どこに行っても規模が大きく優雅で広大な公園、馴染みの店に寄り肉まんを買うとジュースをサービスしてくれ、それを携えて歩く街並み、私は勉強のコツとは日々の繰り返しだと思いました。生きた中国語というものは机に向かっているだけでは得られなかった いつのまにか済南市に溶け込んだ時間を幸せに感じていました。理解が深まると先入観が消え、中国人の思想や生活習慣、人との距離感などを素直に受け入れてアップデートした自分がいました。散歩中の他人の声、店員さんとの交流、パスの中から見た看板、ジムで知り合った筋肉自慢の人達、サッカーチームに誘ってくれた中国人の学生、様々なところで生き生きとした中国とそれに馴染んだ心地良さ、留学前は友好を語りならも視覚に入った物しか知らなかった自分が本当の意味で中国に足を踏み入れた時間でした。何も知らなかった だからこそニュートラルに吸収できた、生活の全てが学びであったと言えるでしょう。未熟だったからこそ日常の全てが成長のチャンスだったのです。

自分と同じタイミングで中国へ来た友人達が沢山います。語学留学だから当然ですが最初は中国語を学んでいる上で中国人よりもクラスメートの外国人達と過ごす方が圧倒的に多くありました。他国から見る中国の印象、自国との文化の差、留学の目的、全てが異なる彼等と争わず中立でいながら交流を重ね友好を築きました。その中で彼らの努力や留学への期待、生きることへの価値観を知りました。自分は日本人らしくそして自分の気持ちの伝え方などたくさんのことを間違えないように身につける事が必要だと感じ、多方面からの自分自身と日本人の印象や見られ方というものを見つめ直し、改めて日本人としての振る舞いを意識して正していきました。
中国に来た当初、私は希望しかない無知な学生でした、そこから学びと体験を重ねほんの小さな外交を身につけました。

留学を終え帰国してからも自分の未来のしっかりと中国が存在しています。私はこれからも学び、行動し、探求し続けるでしょう。社会に出る大きな一歩を残したこの留学に心から感謝します。そしてこれから留学する人達にエールを送ります。私はこの体験を培った知識をこの先も成長して行く事を期待しています。