2024年9月から2025年7月にかけての約一年間、私は中国の浙江大学に留学し、多くの貴重な経験を得ました。言語力の向上はもちろんのこと、それ以上に、自分とは異なる価値観や文化に触れ、視野を広げることができたこの一年は、私の人生においてかけがえのない時間となりました。そして今、私はこの経験をもとに、自分のこれからの進むべき道について、より明確なビジョンを持つようになりました。
中国での留学生活は、毎日が新鮮な驚きの連続でした。授業では中国語でディスカッションを行い、現地の学生とチームを組んでプレゼンテーションにも挑戦しました。最初は言葉の壁に苦しみ、自分の考えをうまく伝えられないもどかしさを感じる日々でしたが、周囲の支えもあり、徐々に自信を持って発言できるようになりました。その中で学んだのは、「完璧でなくても、伝えようとする姿勢」が信頼や理解を生むということです。語学は手段であり、その先にある人と人との関係こそが大切なのだと気づきました。
また、学外では「中日語言交流角」や地域のボランティア活動、国際交流イベントなどにも積極的に参加しました。なかでも印象的だったのは、日本に興味を持つ中国人学生たちとの交流です。アニメやファッション、文学など多くのテーマについて語り合いながら、お互いの国について理解を深めることができました。彼らから「もっと日本のことを知りたい」と言われたとき、私は日本人としてどのように自国を紹介すべきかを改めて考えました。国際交流とは、ただ仲良くなることだけでなく、自分自身の文化を見つめ直す機会でもあると感じました。
また、私は留学中にSNSを活用し、現地での生活や文化体験を日本語と中国語で発信することも意識して行いました。写真や文章を通して杭州の美しさや人々の温かさ、日中の共通点や違いを紹介することで、多くの反響を得ることができました。日本の友人からは「中国への印象が変わった」と言われ、中国人からも「自分たちの街を紹介してくれてうれしい」という声をいただきました。こうした情報発信も、日中友好の一つの形だと実感しています。
留学を終えた今、私は将来、公務員として地元の地域社会に貢献したいと考えています。その中でも、国際交流や外国人支援、地域の多文化共生に関わる仕事に就きたいという思いが、今回の留学を通じてより強くなりました。多様な文化を理解し、橋渡しのできる人材となることは、これからの時代に必要不可欠です。中国での経験は、その第一歩として私に多くの学びを与えてくれました。
これからの私は、異文化に触れた経験を活かし、日本社会の中で多様性を受け入れ、共に生きていける環境づくりに貢献していきたいと思っています。そして、日中の友好の懸け橋となれるよう、学び続ける姿勢を忘れずに前進していきます。