「中国留学を終えて ~これからの私~」宮﨑 めぐみ(上海音楽学院)

約1年前に日中友好協会公費留学50周年記念講演会で留学生の方の報告を聞いてから、あっという間の1年間だったと感じました。発表された2名の学生さんたちがあまりに優秀で私はこの様な成果を残したり、大きな成長が出来たりするのだろうかと不安にもなったことを思い出します。

結果私も多くのコンサートや講座へ行って著名な先生方と交流をしたり、TV局の取材を受けたり、学校や桜祭りのコンサートに参加したりと、本当に沢山の体験させて頂く事が出来ました。来たチャンスには全てチャレンジ出来たのではないかと思います。ただ、表向き色々なところへ出向き華やかな生活をしているようなイメージに思われていた方もいらっしゃるかと思いますが、実際に私たち音大生の生活というのは本当に地道な練習あるのみでとても地味な生活です。基本的には寮と教室や練習室の往復のみ、コンサートや試験が近くなるとデリバリーも出来る限り寮や練習室でさくっと食べられるもので済ませるような生活でした。大学の練習室も授業が終わる夜になると争奪戦でなかなか取れないほど学生の多くが練習に時間を費やしています。やはりどの国、そして恐らくどの業界でもそうですが、そこまで自分を追い詰めて出来る人だけが生き残る世界なのだと思いました。中国には小学生でも日本でのプロレベルで二胡が弾ける学生が沢山いるような状況です。大人から二胡を始めた私は基礎からやり直すような形となり、ひたすら長弓(同じ音を弓の端から端まで弾く)というのを1か月ほど練習したりするようなところからのスタートでした。きっと日本にいたらここまで自分を追い詰めてやることは出来ず、あのまま仕事をしていたら練習時間の確保も出来なかったと思います。自分の二胡に関しては沢山の課題も見え新たに改善していかなければいけない点もありますが、中国の伝統音楽に沢山触れ、レッスンや合奏を通し先生方から沢山の学びを頂き、人生の中でも貴重と思えるかけがえのない1年を過ごさせて頂きました。このような環境で勉強し大きく成長できる機会を頂けたことに本当に感謝しております。

上海の様子は日々日本SNSでも沢山発信して来ました。上海では沢山の優秀な演奏家や指導者に出会うことが出来、皆さん日本での演奏活動や交流へも興味を持って下さっています。そして、私の留学生活の投稿を見て日本の演奏家からも中国の演奏者や学生さんと交流してみたい、中国でも演奏活動してみたいというような声も頂くようになりました。今までも人と人を繋ぐということが大好きでずっとそのような事業に携わってきましたが、これからは中国留学の経験も活かしてさらに日中の架け橋となれるような活動も増やしていけたらと思っております。

 

 

観劇、コンサート、講座などにほぼ毎週足を運びました

 

上海广播电视台の取材を受けました 上海でのライブの様子

 

取材は出来るだけ頑張って中国語で答えました

 

桜祭りでの演奏

 

 

学校内には民族楽器の博物館などもあり恵まれた環境です