「中国留学 ~前期を終えて~」遠藤 美湖(青島大学)

昨年9月に青島大学での留学を開始し、気がつけば4ヶ月があっという間に過ぎていました。1月初旬に期末テストを終え、振り返ってみると、この前期で最も身についたのは「度胸」だったと胸を張って言えます。

 

もともと旅が大好きで、一人での海外旅行も何度か経験していた私は、中国での留学生活も「なんとかなる」精神で、楽しみながら乗り越えられるだろうと思っていました。

 

しかし、いざ青島に到着した初日、空港から大学までの予定していた移動手段が使えなかったり、入学手続きでは職員の言うことが1ミリも聞き取れず、私だけなかなか終わらなかったりしました。留学生活が2~3ヶ月過ぎた冬になっても、日常会話ですら自信を持って話せず、特に中国語の会話力の面で成長を実感できずに、不安や焦りを感じる日々もありました。その一番の原因は、中国語のミスを無意識のうちに恐れていたことだったのだと、今になって強く感じています。

 

そんな中、印象的な出来事がありました。友人たちとの会話の中で、私のロシア人の友人が、イギリス人の友人に「この英語の使い方、合ってる?」と会話中に尋ねたのです。中国語ではないものの、異なる言語を学ぶ中で、「間違いを恐れて発言しないのではなく、分からなければその場で聞けばいいんだ」と気づくことができました。

 

それ以降、中国語の正しさを気にせず、思ったことをとにかく口に出して伝えられるようになりました。今でも先生や友人には「もう一度言って」と言われることが多々ありますが、それでも私の言おうとしていることを理解しようとしてくれる環境で生活できるのは、とてもありがたいことだと日々感じています。このおかげで、「自分は中国語が話せない人間だ」と思い込んでいた恐怖もなくなり、初対面の人にも自分から話しかけられるようになりました。確かな「度胸」が身についたと実感しています。

 

前期を終えて一時帰国した際、日本の友人や先生から言われたのは、「以前よりよく喋るようになったね」という一言でした。最初は、中国では皆が大きな声で話す習慣があるため、その影響で単にうるさくなったのかと思いました。しかし、実際には「自分の意見をはっきり示すようになった」という意味だったのです。中国語学習を通じて語学力が伸びただけでなく、私自身の性格も良い方向へ変わっていったことは、とても嬉しい変化でした。

現在は、中国人の話す中国語にようやく耳が慣れ、以前よりも相手の言いたいことを推測する力も上がったと感じています。冬休み中に北京を旅行した際も、中国語を話せない家族を無事に案内しながら、1週間の旅行を満喫することができました。

 

今学期は、さらに話せる中国語のバリエーションを増やし、相手にとって分かりやすい表現を意識して学習に取り組みたいと思います。また、青島での生活にも慣れ、周囲の景色が日常の一部となりつつある今、もう一度「青島初日の気持ち」を思い出しながら、毎日新たな発見をするつもりで、一日一日を大切に過ごしていきたいです。