「今後留学するひとたちへのメッセージ」小澤 望乃(浙江大学)

今月がついに最終回となりましたが、今回は、これから中国へ留学しようとしている皆さんに、私からいくつかのメッセージをお伝えしたいと思います。留学は語学の勉強や専門分野の研究だけでなく、人生を大きく変える経験にもなり得ます。期待と不安が入り混じるような気持ちを抱えている人も多いかもしれませんが、実際に現地に足を運ぶことで見えてくる世界は想像以上に広く、豊かなものです。

まず強調したいのは、「完璧な準備は必要ない」ということです。出発前に中国語が十分にできていなくても、日常生活の中で少しずつ慣れていけます。私自身、留学前は語彙も表現もかなり限られており、授業についていけるか、現地の人や留学生たちと交流できるか不安でした。しかし、実際に生活を始めると「伝えようとする姿勢」が何よりも大切であると気づきました。拙い中国語でも笑顔で話せば相手は理解しようとしてくれますし、その積み重ねが自信につながります。

また、中国での生活は文化の違いに直面する連続でもあります。食事、交通、時間の感覚、友人との関わり方など、日本とは異なる部分が多々あります。最初は戸惑うこともありますが、それを「違い」や「個性」として受け入れることで、自分の考え方や価値観も柔軟に変化していきます。留学は単に中国を知るだけでなく、日本を相対化し、自分自身を見つめ直すきっかけにもなるのです。

さらに、積極的に行動することを強く勧めたいと思います。授業に出るだけでなく、授業のお手伝いやボランティア、旅行などに参加することで、より深く現地社会と関わることができます。私は友人と共に四川省を旅した経験がありますが、教室では学べない歴史や人々の暮らしを肌で感じることができました。その体験は、今も強く心に残っています。

最後に、留学は挑戦の連続であると同時に、自分を成長させてくれるかけがえのない時間です。思うようにいかない日があっても、それを乗り越えた先に新しい自分が待っています。ぜひ恐れずに一歩を踏み出し、現地での出会いや経験を大切にしてください。そのすべてが、必ずあなたの将来に役立つ財産となるはずです。