「これから留学する皆さんへ」中溝明佳(清華大学)

まず初めに、留学への切符を手にした皆さんにお祝いの言葉を伝えたい。そして留学へ行くという決断をした自分自身をぜひ誇りに思ってほしい。これは簡単なことではなく、勇気と覚悟を必要とするものだからだ。
ここで私が留学に対してどのように考えているのかを少し述べたい。
留学を決意した理由は人それぞれである。語学力向上、異文化体験、自分の可能性を広げるためなど、そのどれもが素晴らしい動機だ。私の周囲にも、留学が初海外の人、実家暮らしから初めて寮生活をする人など、様々な背景を持つ人がいる。そうした人たちを心から尊敬する。
私は大学進学の際に実家を離れて一人暮らしを始めたが、当初はホームシックになり、精神的に苦しい時期もあった。もし私もそうした未経験の状況で留学に行っていたなら、途中で挫折していたかもしれない。
世の中には「死ぬこと以外かすり傷」といった強い言葉を座右の銘にしている人もいる。
残念ながら、私はそのような強靭なメンタルを持ち合わせていない。私は強い人間ではないと自覚している。
留学に関する情報を調べると、成功体験ばかりが目に留まる。素晴らしい成果や成長が紹介され、調べれば調べるほど、他人との違いに落ち込んでしまうかもしれない。
だからこそ、他人の物差しで自分を測らないでほしいと強く伝えたい。そもそも留学の目的や成し遂げることは人によって異なる。達成したことが大きいからといってその人が優れているとは限らないし、それを理由に自分を否定的に捉える必要はない。
留学中は、日常の些細な出来事にこそ価値がある。異なる文化の中での生活は、どんなに小さなことでも、自分を成長させてくれるきっかけになる。
毎日を大切に過ごす、そうすれば帰国後に「自分は確かに成長した」と信を持てる経験に繋がるはずだ。
最後に、皆さんの留学がより良いものとなることを願っている。

唯一思い残すことがあれば、食堂の料理を帰国直前に外出や体調不良が理由であまり食べられなかったことだろう。どれも本当に美味しく、中でも大学オリジナルのヨーグルトは今まで飲んだヨーグルトの中で一番美味しかった。