「留学中に取り組んだ日中友好活動」若林 郁未(華東師範大学)

とうとう、7月14日に大学の寮を退寮し、日本に帰国しました。10ヶ月間の留学生活は、本当にあっという間でしたが、これまでの人生の中では味わえないような新鮮な体験をたくさんすることができました。

その中でも、私にとって特に印象深かったのは、上海市内で開催された日中交流イベントに複数回参加したことです。イベントの規模や形式はさまざまでしたが、共通していたのは、日中両国の人がフラットな関係で語り合える温かい雰囲気があったことです。

1月に参加した交流会の様子
1月でもクリスマスツリーが出ていました

初めての参加は、今年の春節前に行われた交流イベントでした。日本人の留学生や駐在員の方々、そして日本に興味を持つ中国人の方々が集まり、自己紹介の後、お互いの国の好きなところや、疑問に思っていることなどを語り合う時間が設けられました。最初は少し緊張していましたが、中国人の参加者の多くは日本語が堪能で、アニメや旅行など日本文化に強い関心を持っており、さまざまな話題で盛り上がることができました。

こうした交流を通じて、自然と年齢の近い中国人の友人ができました。春頃からは毎週末のように、カフェでお茶をしたり、街を一緒に歩いたりしながら、上海の穴場スポットや美味しいお店を教えてもらったり、お互いの近況を語り合うような関係が築けています。

上海での生活を通して強く感じたのは、日本に関心を持ち、実際に日本人と話してみたいと考えている中国の若者が想像以上に多いということです。彼らにとって日本人との交流は、語学や文化の学びになると同時に、日中の距離を縮めるきっかけでもあるようです。

私にとっても、こうした何気ない対話の積み重ねが、まさに「日中友好活動」そのものであったと感じています。特別な知識や能力がなくても、相手に関心を持ち、自分の言葉で語ること、そしてそれに耳を傾けてくれる相手がいることこそが、国と国の間にある見えない壁を少しずつ低くしていくのだと思います。

今後も、このような交流の機会に積極的に関わり、両国の相互理解の一助となるような行動を続けていきたいと考えています。