「留学中に取り組んだ日中友好活動」里和 麟太郎(浙江大学)

梅雨の時期も終わり、本格的な夏の季節となった。筆者は今月中旬に杭州に別れを告げ、日本へ帰国した。先月末から帰国準備をする中で、海外からの荷物の発送など海外生活ならではの体験をしつつ、帰国準備に忙しくしていた。留学中にお世話になった先生や学生に挨拶をすませ、およそ一年ぶりの日本へ帰国した。空港に降り立った時は万感の思いであった。

さて、今月のテーマは表題のとおりである。とはいえ筆者は特別意識的な活動を行なった訳ではない。よって「日中友好」とまではいかないかもしれないが、留学中の中国人とのかかわりの中でのできごとやそれらに類する感想を中心にのべてみたいと思う。

筆者は現地で日本語が話せる中国人大学生を紹介してもらい、中国語を教えてもらっていた。彼は今年から日本へと留学をするようで、大学に提出する書類の日本語チェックなどで協力した。来日してからも何かあれば手助けをできればと思っている。また、その繋がりから、日本へ留学を希望するもう一人の学生と会って話をする機会もあった。日本の大学及び大学院の選び方や先生へのコンタクトの取り方などを可能な限り伝えた。筆者の協力がどれほどの助けとなったかは分からないが、何かしら得るものがあれば良いと思っている。

もう一つ、印象的なできごとを紹介したい。ある日キャンパス内を歩いていたところ、現地の人に話しかけられた。浙江大学のキャンパスは基本的に部外者が立ち入ることが難しいが、休日にはキャンパス内を観光する家族連れがいる。筆者に話しかけてきたのはその観光客であり、食堂でアリペイやWeChatペイが使えるのかと訊ねてきたのだ。筆者は拙い中国語を駆使して使用できる食堂を案内したところ、彼は筆者が外国人であることに気づいたようで、出身を問われた。筆者が日本人であると答えると、物珍しかったのか「你说的普通话挺好的。」(記憶ではこのようであるが、もしかしたら正確ではないかもしれない。)と言われ、握手を求められた。筆者としては印象的なできごとであったし、褒められて悪い気はしなかった。話しかけてきた人にとっても、日本人に対して良い印象を持つきっかけとなるできごとであれば良いと思うできごとであった。

今回述べたようなできごとは、ほんの些細なことである。「日中友好活動」などといった高尚なものではない。とはいえ、筆者と中国人の間でおきた「友好」的なできごとであることに変わりはない。筆者は今回の留学で現地の先生方や学生達など多くの方々にお世話になった。おそらく筆者はこの先も中国と関わることになるだろう。この感謝を忘れずに生きて生きたいと思っている。

5月末に撮影した宝石山よりの夜景
素晴らしい光景であった
浙江大学紫金校校区近くのショッピングモールにあるフードコートのお店
炒飯が売りの店だが、筆者はこの店の炒麺が好みであった
杭州を発つ直前に撮影した空港の写真
良い思い出が残る留学であった