「留学中に取り組んだ日中友好活動について」小澤 望乃(浙江大学)

私が中国・浙江大学に留学していた1年間で、特に力を入れて取り組んだのが、言語交流活動とSNSを通じた日中の相互理解の促進です。これらの活動は、異なる文化や価値観を持つ人々と直接つながり、小さな「架け橋」となることを実感させてくれる貴重な経験でした。

 

まず、浙江大学の「中日語言交流角」に定期的に参加しました。ここでは、日本語を学ぶ中国人学生と中国語を学ぶ日本人留学生がペアになり、互いの言語で自由に会話をします。最初は緊張もありましたが、回を重ねるごとに自然と打ち解け、日常生活の違いや文化的背景について深く語り合うようになりました。

ある日、パートナーの中国人学生から「日本に留学したいけれど不安がある」と相談を受けました。彼女は日本の文化に強い興味を持っており、日本語も熱心に学んでいましたが、現地での生活や人間関係に自信が持てないという悩みを抱えていました。私は、自分が中国留学を決めた際の不安や実際の体験を交えながら、日本の留学生支援制度や、日本人の親しみやすさなどを丁寧に伝えました。彼女からは「直接日本人と話せて安心した」と感謝され、このような対話こそが相互理解につながると実感しました。

 

また、私はSNSでも日中友好を意識した発信を行っていました。留学中に訪れた龙井村の茶畑や西湖の風景、市場で食べた地元料理や春節の街のにぎわいなどを、写真とともに紹介しました。中国について知る機会が少ない日本人からは「中国の印象が変わった」「行ってみたくなった」といった声が寄せられ、中国人からも「外国人の視点で自分たちの文化を紹介してくれてうれしい」といった反応がありました。私自身、もともとSNSの類はやったことがなく手探りの状態で始めましたが、発信をして良かったと思います。

 

こうした日々の活動を通して強く感じたのは、国と国の関係は、ニュースや政治だけで語れるものではなく、人と人との心の交流によってこそ築かれるということです。留学生活を通じて培った信頼関係や学びは、これからの人生の中でも大切にしていきたいと考えています。