「留学中に取り組んだ日中友好活動」石橋 肇子(北京師範大学)

「日中友好活動」と言えるほど大々的な取り組みは多くありませんが、異文化の相互理解につながったと感じられるような、さまざまな交流の機会がありました。ここではそのいくつかをご紹介します。

中国人民大学での日中交流イベント

5月中旬に中国人民大学で開催された日中交流イベントに参加しました。このイベントでは、参加者がテーマごとに日本人学生、中国人学生混合のグループに分かれ、テーマに関連する施設を見学した後、それをもとにグループで議論を行うという内容でした。私は、北京にある老人ホームを見学し、日中両国における高齢化や福祉の現状について学びました。

また、このイベントは宿泊を伴うもので、グループで長時間を共に過ごすことができました。食事や移動、自由時間なども共に過ごす中で、自分が日本や中国に興味を持ったきっかけや、将来に対する考え方や悩みなど、様々な話題について語り合うことができ、とても貴重な経験となりました。

大学でのサークル活動

私は留学中、複数の運動部に参加していました。いずれも学部ごとに編成された部活動(院队)で、私が所属していた経済学部の部活では、私が唯一の留学生でした。国際系の学部では留学生や外国語を専攻している中国人学生の姿も見られますが、私の所属先では、ほとんどの部員が海外経験のない学生たちでした。

そのような環境の中でも、中国語が上手くない私に部員はとても親切にしてくれ、また、日本について関心を持ってくれる場面も多くありました。試合中に「頑張って!」と日本語で声をかけてくれたこともあり、温かい気持ちになる瞬間が何度もありました。帰国後には、部活を通じて仲良くなった中国人の友人2人が日本に遊びに来てくれ、留学が終わっても連絡を取り合えるような友人ができたことをとてもうれしく思いました。

こうした日常の中での交流が、私にとって貴重な思い出であると同時に、関わった学生の心にも何かしら印象として残ってくれたのであれば、それは立派な日中友好活動であったと言えるのではないかと思います。

おわりに

「日中友好活動」という言葉を強く意識して取り組んできたわけではありませんが、日々の生活の中で現地の人々と自然に交わしてきた交流が、結果的に日中の相互理解に繋がっていたのではないかと感じています。今回の留学を通じて、中国の文化や価値観への理解が深まり、更に中国についてもっと知りたいという思いが強くなりました。

今後もこの経験を活かし、自分なりの形で日中の相互理解や友好促進に貢献していきたいと思います。

大学の卓球室。毎週1,2回行っていました。
毎回自分と同じ時間に練習に来ていた体育学部の教授と親しくなったり、
学外の人と知り合えたり、とても思い出のある場所です。