「上海という街」天野翔太(復旦大学)

11月のテーマを見て自分は何に関心があるのだろうとかなり悩みました。そこで中国に来てからの写真を見返していると何気ない街の風景を写した写真が多くあることに気がつきました。小紅本などのSNSでは“city walk”という文字を頻繁に目にします。中国人の間でも街歩きは魅力的なものとされていることが見て取れます。ネット上の資料によると、人気のcity walk都市ランキングで上海はトップの位置に座っているようです。私自身、上海の街を歩いているとふとした時にシャッターを切りたくなります。今回はその魅力はどこにあるのだろうと改めて考えてみようと思います。

まず一つに街路樹の存在があると感じています。日本でも当然街路樹を目にしてきましたが、それを見た時とは違う感情を上海では抱きました。道路の両端に整然と並び生い茂っている街路樹は自然のトンネルのようにも感じられます。上海という国際的な大都市においてこのような自然を感じられることは私にとって意外なことであり、驚いたことの一つです。

二つ目は調和です。上海には石庫門という伝統的な建築が存在します。私はその中でも有名な張園と新天地に赴きました。そこにはすでに住宅街としての姿はなく、完全に商業化されていました。しかし石庫門住宅のスタイルを崩さず、外観の調和を保つことが出来ていると個人的には感じました。石庫門以外のところでも雰囲気と建築の整合性がきっちり取れているなという印象を受けました。

三つ目は様々な顔を持っているところです。中心部では上海三大ビルをはじめ多くの高層ビルが聳える現代的な光景が見られますが、少し移動すると西洋的でレトロな建物に目をひかれます。大学の近くでは小さい商店が立ち並ぶ昔ながらの通りも見ることができます。また国際的な街であることから至るところに他国の料理が食べられるレストランが存在していることも上海の特徴と言えると思います。

時間の流れは早いもので前期の授業も残り1ヶ月となりました。これまでの3ヶ月で上海の街を歩き回りましたが、とてもいい街だと日々感じています。留学終了までこの街を味わい尽くそうと思います。