「トラブルの連続で成長した1ヶ月」若林 真央(西安交通大学)

中国留学を開始して早くも1ヶ月が経過しました。中国での生活には徐々に慣れてきましたが、この1ヶ月は毎日がトラブルの連続でした。例えば、日本を旅立っていきなり搭乗予定だった飛行機が欠便したり、学生寮が空いていなくて急遽、学外に一人暮らしをすることになったり…今回は私がこの1ヶ月でおこなったことを13個ピックアップして時系列順で書き綴ります。

1、日本から西安交通大学に行く

私は9月2日(土)に大阪→北京→西安の工程で飛行機に乗りました。ここでひとつ目のトラブルが発生しました。なんと私が搭乗予定だった北京→西安便が天候不良のため欠便してしまったのです。私は北京に到着してから急いでサービスカウンターに行き、拙い中国語と翻訳アプリを駆使して代わりの便を探しました。奇跡的に私の搭乗予定だったひとつ前の便が運行予定で席も空いていたので、それに乗ることができ無事西安に到着しました。西安に着いたのが夜中だったので、あらかじめ予約していたカプセルホテルに一泊しました。翌朝、西安に住む中国人の友人に空港まで迎えに来てもらい、彼女の助けを借りながら地下鉄で西安市内へと向かいました。そして空港から2時間ほどかけて西安交通大学へと到着しました。

2、報到(バオダオ)する

報到(バオダオ)とは大学の事務局に到着したことを報告する入学手続きのことです。報到(バオダオ)会場には韓国、東南アジア、中央アジア、アフリカ、ヨーロッパ…様々な国籍の学生が集まっていました。インターナショナルな雰囲気に感動しました。しかしここでふたつ目のトラブルです。なんと新入生名簿に私の名前がありませんでした。結局その日は報到(バオダオ)できず、入寮手続きもできなかったので大学近辺のホテルに宿泊して、翌日の朝事務室へ行きなんとか手続きを終えることができました。また、この時に本科生の日本人留学生と知り合うことができました。西安交通大学では様々な手続きに対して大学からのサポートは一切ありません。よってすべて自分で情報を集めて動かなければなりません。このような状況下でしたので、母国語が同じ日本人留学生の存在は大変心強かったです。彼らの助けを借りて煩雑な手続きを乗り切ることができました。

この建物は学生寮兼留学生が使用する教室棟です

3、SIMカード購入

中国に来たら真っ先にSIMカードを購入して、中国の電話番号を手に入れることをお勧めします。後述しますが部屋を借りるときも銀行口座を開設するときも、あらゆる手続きで中国の電話番号が必須になるからです。私は校内にある中国移動(チャイナモバイル)という大手通信会社のショップでSIMカードを100元で購入しました。私は月60元(約1200円)で50GB使用できる学生プランを契約しました。(日本では信じられない値段です。)

4、学生証を作る

学生証は食堂で食事をするときや、大学に出入りするときに必要になります。入学してすぐ作成しに行きましたが、ここでもトラブルが発生しました。なんと私の情報が大学のデータベースに登録されていなかったのです。慌てて担当事務員さんに連絡したら「来たばかりだからあなたの情報がまだ登録されていない。あと数日待って。」と言われました。結局、私が学生証を手に入れられたのは1週間後でした。

5、部屋を借りる

入学手続きをしたとき、事務員さんから衝撃の言葉が放たれました。

「留学生寮に空きがないから外で部屋借りて住んで」

コロナ禍が収束し、隔離もなくなり、航空券代も下がったこのタイミングで留学生が押し寄せていたのです。そして留学生寮が満員になり、外で部屋を借りないといけない留学生が私を含めて数多く発生しました。私は急いで住居探しを始めました。「安居客」というアプリで部屋を探し、不動産仲介者と繋がり、なんとか部屋を見つけることができました。水回りが比較的綺麗な、かなり広いワンルームで家賃は1ヶ月1900元(約3万8000円)でした。

中国と日本では部屋の借り方が全く違います。まず中国では多くの部屋が家具付きで即日入居でき、保証人などは必要ありません。外国人であってもパスポートとお金さえあれば部屋を借りれます。その代わり半年分の家賃と押金を初めに払う必要がありました。よって私は部屋を借りるタイミングで約15000元(約30万円)を一括で支払いました。(かなり痛い出費でした。)しかし、大家さんは中国語をろくに話せない日本人に部屋を貸して下さったり、不動産仲介会社の従業員さんは私のことを気にかけて食事に連れて行ってくれたりと、中国の人々の優しさを実感しました。

6、光熱費等を納める

学内の寮に住むと光熱費は基本無料ですが、学外で部屋を借りるともちろん光熱費の支払いが発生します。私の場合は光熱費+マンションの管理費なども併せて月400元ほどかかる予定です。また冬になると暖房代も納める必要があります。中国政府奨学金から月700元ほどの家賃補助が出るとはいえ、学外に住む場合はかなりのお金が必要になります。

また光熱費の支払い方法も日本とは大きく異なります。日本では後払いに対して、中国では先払いです。私の場合は電気代、水道代、ガス代とそれぞれカードを渡され、料金所でチャージした金額分、電気や水道ガスが使える仕組みです。つまりチャージを怠るとライフラインが止まってしまいますので、こまめに残高を確認する必要があります。また電気代はアリペイで、水道代はマンションの管理室で、ガス代は近所のお店でとチャージできる場所が、それぞれ異なるのでかなり煩雑です。

上から水道カード、ガスカード、電気カードです。

7、臨時住宿登記をする

外国人が部屋を借りて住み始めたら、24時間以内に最寄りの派出所に行き臨時住宿登記を申請する必要があります。これを怠ると罰則があります。中国の警察署に行くということで私は非常に緊張していましたが、留学生が多く住んでいる地域だったので、警察官の人たちも慣れた手つきで手続きを進めてくれました。パスポートと部屋の契約書、私と大家さんの電話番号を報告して無事終えることができました。

最寄りの派出所です。最初入るときはとても緊張しました。

8、生活用品を購入する

生活用品はお店で買うよりも、ネット通販の「タオバオ」で買う方が圧倒的に安いです。しかもほとんどが送料無料です。私は寝具や掃除道具、タオル等の生活用品のほとんどをタオバオで購入しました。購入した商品は自宅の玄関に届くのではなく、マンションの荷物集積所に自分で取りに行かなければいけません。

マンション内にある荷物集積所

9、銀行で口座を作る

中国工商銀行で口座を作成しました。口座作成の目的は奨学金の振り込みと決済アプリ「アリペイ」との紐付けのためです。銀行内には私と同じく外国人留学生がたくさんおり、銀行員さんも慣れた手つきで口座開設手続きをしてくれました。大体1時間半ほどで作成できました。

10、Wi-Fiの工事をする

はじめはネット環境はスマホの契約プランの50GBだけでやりくりしようと考えていましたが、私はテレビ電話やスマホゲーム、動画視聴を毎日していたので2週間で100GBも使用してしまいました。流石にWi-Fiを契約したほうが経済的だと思い、Wi-Fiを自宅に設置しました。年間契約で680元、Wi-Fiの機器代で240元、計920元(約1万8千円)でした。本当は月額契約をする予定でしたが中国の身分証明書がないとできないらしく、少し割高になりましたが年間契約をしました。(それでも日本と比べると安いです。)現在は快適なインターネットライフを過ごせています。

11、体格検査を受ける

体格検査は日本でいう健康診断で、居留許可を申請するためには体格検査の受診が必須です。検査項目は今年の1月に日本で受けた内容とほぼ一緒でしたが検査料が大きく異なりました。日本では約3万5000円でしたが、中国で受診すると約300元(6000円)とかなり安くなっています。体格検査会場にも外国人留学生がたくさんいました。

体格検査を受ける外国人留学生の長蛇の列

12、居留許可申請をする

居留許可とは、中国公安局が発行する長期滞在許可の証明書です。私はX1ビザ(長期留学ビザ)で入国したので、現地に着いてから30日以内に居留許可申請をしないといけません。この期限をすぎると不法滞在者とみなされ厳しい罰則がなされます。私は体格検査の受診日がかなり遅かったため、9月末にようやく公安局に行けました。公安局にも体格検査会場と同じく外国人留学生がたくさんいたため、長蛇の列に何度も並びやっと手続きを終えられました。期限ギリギリでだったため、申請が無事終わるまでは生きた心地がしなかったです。

13、奨学金が振り込み手続きをする

中国で作った銀行口座を大学の事務局に報告すると、そこに毎月月末に奨学金が振り込まれるようになります。早速9月末に奨学金が振り込まれました。しかし事務手続きのミスで本来より少ない額の奨学金しか振り込まれていませんでした。急いで担当の事務員さんに連絡をとり、翌月に今月の不足分の奨学金が補填されて振り込まれることとなりました。このような事務的ミスは中国ではよくあるそうなので、今後も気をつけなければいけません。一人暮らし費用や生活必需品を揃えて所持金がかなり少なくなっていたため、まとまったお金をいただけて有り難かったです。やはりお金は心の安定に繋がります。中国政府からいただいているお金なので、大切に使用させていただきます。

 

ということで私がこの1ヶ月でおこなったことを13個紹介しました。授業を受けながら並行して上記の手続きをこなしたので多忙でしたが、多くの人の助けを借りて完遂できました。今回は堅い話ばかりしてしまいましたが、ちゃんと留学生らしく勉強も国際交流もできています。クラスでは韓国人、ベトナム人、ロシア人、カザフスタン人など様々な国籍の学生とお友達になれました。私の誕生日の日にはクラス一同でバースデーソングを歌ってくれたり、プレゼントもいただきました。また西安交通大学の日本語学科の学生とも繋がりを持てました。

留学当初はトラブルの連続で心折れそうになりましたが、日本にいる家族、友人、恩師、そして西安にいる元同僚の方々、クラスメート、日本人留学生に支えられてここまでこれました。トラブルに晒されて精神的にも強くなれたと思います。

また語学力でもこの1ヶ月で大きく成長できたと実感しています。目に入る文字が全て中国語で、日本人と接するとき以外は会話が全て中国語になるので、日本にいたときとは比にならないくらい中国語を学べます。やはり留学して良かったと強く実感しています。しかしまだまだペラペラとは程遠いので引き続き学習を精進していきます。