「留学を開始して困ったこと、面白かったこと」井口智奈(中国伝媒大学)

留学を開始して困ったこと

9月9日に北京に到着してから、各種手続きにおいてとにかくハラハラすることの連続だった。トラブルの原因の多くは期日に余裕を持たせていない私のスケジュール管理の雑さや、中国語の聞き取り能力の低さによるものだが、それでも全ての手続きを落ち着いて完璧に進められた留学生は少ないのではと思う。

もし今後中国留学を考えている方がこのレポートを見てくれている場合、特に後悔している下記3点のやらかしを見てどうか反面教師にしていただきたい。

中国のWeb広告・鉄道広告に少し寄せたデザインにしたつもり……だが、まだまだ傾向分析と精進が必要だ。

上記とは別に、多くの方が言及している通り「銀行口座開設の重要性」もひしひしと感じた。微信支付や支付宝(Alipay)は、銀行口座に紐づいていないと出来ない決済も多い。入国後は周囲の人に頼りながらでも、なるべく早く口座開設することをおすすめしたい。

「よく食べて、よく飲む」の真意

中国への出発前、私たちに対して「とにかくたくさん食べて飲んでください」という言葉が先輩方から贈られた。

これを聞いて私は「勉強しに行くというのに楽しむことを薦めるなんて優しいなあ。」と、少し甘やかされているような申し訳なさを感じていた。

しかし中国に来てから「食べる」とはただの行動ではなく、その土地の文化を理解するのに最も手っ取り早い方法であることに気がついた。どのような店構えが好まれるか、食べるものを選ぶ時に何を目にするのか、注文から決済までのUIは、SNSでどのように情報がシェアされているのか……などなど。

日常を体験することで、中国人の生活習慣に対する解像度がグッと上がった。この感覚こそ現地に留学してみないと得られないものだ、と早くも帰国後仕事に生かせる財産を手に入れた気持ちだ。

北京・朝阳公园で開催された国际精酿啤酒节(国際クラフトビールフェス)に行った。1杯目はマンゴー×ザクロのサワーエール、2杯目は花椒の香りがするエールをチョイス!

授業開始時期は?ルームメイトは?現在の状況

最後に私の近況についてお伝えすると、実はまだ授業が始まっていない。

中国传媒大学に在籍する留学生のうち、中国語専攻(奨学金制度における普通進修生(A)が該当)の学生と大学院生(同じく高級進修生が該当)については9月中旬から授業が始まっている。一方、中国語以外を専攻する学部生・普通進修生については、国慶節終わりの10月頭が授業開始日だ。

また「同じ国同士の方がコミュニケーションが楽だろうから」という宿舎の方の気遣いにより、私のルームメイトは日本人になった。隣室にも日本人が居るため、予想以上に日本語に頼ってしまう日々を送っている。そして、私よりもはるかに中国語でコミュニケーションがとれているのに、中国語を専攻している同級生を見て「みんなよりも語学力が劣る私が専科の授業についていけるのだろうか……」という情けなさを感じているのが正直な心境だ。とはいえ、ここまで来たら勉強の機会を思いっきり味わうしかない。来月に前向きなレポートができるように、楽しみながら学習していきたい。

先述のビールフェスの各ブースの装飾はどれも自分好みでテンションが上がった。