「後期の始まり」金子 絹和子(北京電影学院)

3月11日から後期の授業が開始した。前期の唯一のクラスメイトが帰国し、新入生が1人入ってきた。引き続きマンツーマンのような状態で授業を受けている。新入生は華僑のマレーシア人でほとんど母国語レベルで中国語が話せるので、授業中は彼の学習スピードについていくのに精一杯になってしまっている。彼は大学受験に備えて映画を学びに来たらしく、この预科班が中国語メインのクラスだとは想像していなかったらしい。本当に様々な事情の人が集まる学校である。教科書の内容も一段と難しくなり、この3週間はどっと疲労感が残った。

北京での生活もあと4ヶ月。前期は友達作りや語学勉強であまり余裕がなかったが、後期は北京でしか出来ないことを悔いが残らないように存分に楽しみたいと思う。具体的には下記二点を目標に掲げる。一つ目は映画やそれ以外の芸術により積極的に触れに行くこと。調べてみると毎週末何かしらのイベントや展示が行われている。天気もやっと暖かくなったので、もっと外に繰り出して新たな発見を見つけていきたい。二つ目は自分らしい生活を送ること。留学に来てから、語学レベルや学歴、留学の充実度など人と比べることの無意味さを実感した。様々な国の留学生がいる環境だからこそ、そう感じることができたのかもしれない。人それぞれ感じ方は違うし、人と比べたところでその人になりたいかと言われたらそうでもないし、この広い世界の中で私が中国語を話せるか話せないかなんて自分以外ほとんど誰も気にしていないと思ったら、まるでどうでも良いことのように思えてきた。前期は「留学生らしい生活」を送るために先輩方の留学体験を読み漁り自分もこうならなくてはと必死だったが、残された4ヶ月は今自分に必要なことは何か、誰にも何にも縛られずに自分らしい生活を取り戻したい。

春が来た!

中国語の勉強に関しては11月のレポートで既に書いているが、少し変わった部分もあるので補足したい。前述した「自分らしい生活」をしていく上で、最近は遊びに行く友達を選ぶようになった。たとえスピーキングの練習になるとしても、気の合わない友達といたら自分が消耗されていくだけだ。人との出会いも成り行きに任せるようになった。縁がある人とはどんなに回り道をしても絶対に出会えるし関係が続いていくと前期に感じたからだ。ただそうなると友達と呼べる人の数はぎゅっと減り、またお互いに勉強や仕事があって毎週会えるわけではないので日々の中国語での会話量も減ってしまう。そこで1人でいる時はなるべく中国語で独り言を声に出すようにしている。友達と会話をする時は中国語でどう表現すれば良いのか悩んでしまい話のリズムについていけないことも多々あるが、1人だとそれを気にしなくて良いので表現の練習と瞬発力を鍛えられる画期的な勉強法だと感じている。最近は7ヶ月の時の流れの早さを実感するとともに、語学に関してはこの7ヶ月間の進歩をしっかり感じられているので、あと少し気を抜かずに頑張っていきたい。