「前期レポート」三島 彩摘(復旦大学)

日々授業や定期テストを受け、冬休みが終わり、気づけばもう留学の折り返し地点になっています。今回の前期レポートでは、中国留学を経験する前と後で、自分の中で感じられた価値観の変化や気づきについて記したいと思います。

私の留学の動機の一つは、隣り合った国であり、経済的にも文化的にも交わりの多いのに反して曖昧なイメージしかなかった中国に対する理解の”解像度”を上げる、そのために必要なリテラシーを身につける事です。

半年を振り返ると、まだまだ完璧には程遠いですが、中国で使われているツールを使って、情報をリサーチする語学力が備わったと言うことができると思います。家族や友達が上海に訪れ私が何回かアテンドする機会があったのですが、その時に感じたのは半年前、こちらに渡航する前の自分と同様に中国の実情を知らなすぎると言うことです。友達によると日本で使用しているネットで検索をかけてもいわゆる”海外向け”のしかも古い情報しか出て来ず、ホテルなどと連絡を取るのも大変だったそうです。

開けたイメージのある上海でさえも、中国で使われているアプリやネット情報がなければ旅行を存分に楽しむことが難しく、やはり中国本土のネット規制が国外の人が中国と交流する機会を阻んでいるように感じられました。

反対に驚いたことは、中国での日本の存在感の大きさです。勿論国際関係の悪さや過去の歴史について、負の側面での存在感もかなり大きいとは思いますが、渡航後に驚いたのはいい意味で日本という国が中国の人々の中で一目置かれる存在であるということです。

日本生まれであるサンリオのキャラクター達や無印良品ブランドが中国でも人気を集めていますし、上海では美容院やネイルサロン、飲食店も「日式」を謳い文句にしている所が多くあります。

動画配信サイト哔哩哔哩(ビリビリ)でも「日本人が愛用している健康食品」と謳った動画風広告があり、かなりの数閲覧されているのを見ると、広告として日本というキーワードがいかに効果的か感じることができます。(大体日本人は見たこともない少々怪しめの商品が日本人の愛用品として紹介されているのがポイントです笑)

また復旦大学の学生舞踏団で知り合った友人はこの冬休みに日本を訪れ、東京にいるのかと思えば次の日には富士山麓からの風景写真をウィチャットに投稿していて、大変驚かされました。渡航前は中国の方々の日本に対する印象はかなり否定的なのでは無いかと想定していたのですが、少なくとも上海では特に文化的な方面で多くの歓迎を受けている様に思いました。日本という国が中国の皆さんの中でどのように受け入れられているかを偏見なしに自分の目で身をもって感じることができたのは大きな収穫です。

知り合いの中国人学生によると、高校で学ぶ外国語で日本語を選択することができ、最近は大学受験の際に英語ではなく日本語で受験する学生も多いといいます。日本でもより早い段階から中国に触れる機会が増えれば良いと思いました。思い返せば、自分も高校生の時上海の高校の学生が日本の高校に訪問しにきて、その時初めて中国語で「お会いできて嬉しいです」はどういうのか調べ、中国語学習に興味を持つきっかけになったと思います。

毎月毎月のレポートではその月に主に何をしたかに注目していましたが、今回は半年という比較的長いの期間で留学について考える機会になり、自分が少しずつどのように変化したか、どのような知見を得たか振り返ることができました。

あと半分の期間、また留学が自分にとってどのような体験になるのか、自分がどの様に成長することができるかとても楽しみです