「有缘千里来相会 无缘对面不相逢」浅野亜理紗(北京大学)

心に希望と不安を込めて海を超えた北京へ降り立ってから1か月が過ぎようとし、長い隔離期間を終えて遂に筆者の「北漂( běi piào)」(北京の戸籍を持たない、他地域から北京に移り住み生活や仕事をしている人を指す言葉。)物語の幕が上がった。

さて、突然だが筆者はロマンチストである。と言っても、自分の夢や空想に対してではなく自分と、関わった全ての方との間に縁が必ずあると信じている部分に関して自分はロマンチストであると感じている。ある日、大学の授業で先生から「有缘千里来相会 无缘对面不相逢」という言葉に関する説明があった。日本語だと、縁があれば千里ほど遠く離れた場所からでも来たとしても必ず出会う、縁が無ければ目の前に居ても出会わないという意味である。ロマンチストな筆者はこの言葉に出会った瞬間、すっかり魅了され、たちまちこの言葉を記憶した。

北京大学東門駅東南口前の交差点(隔離終了後の最初の写真)

 

大学の中国語オンライン授業の様子

それでこの1か月どのような縁があったのか、彼らへの感謝の意を込めて紹介したい。隔離施設に向かうバスで出会った素敵な同い年の女性、大学のクラスの友人たち、そして同じ寮の部屋を共有する年下の女の子。短いながらも様々な新しい出会いに巡り合うことができ、とても嬉しく思う。

日々の素敵な縁やささやかな幸せを感じる一方で、やはり一流の環境の中で過ごさなければならない圧力と緊張感をもって過ごす毎日が続いている。一人で物思いにふけ眠れない夜もあれば、疲れてすぐに眠りに落ちてしまう時もあった。長い間中国に来ることをのぞみ、大体の文化を理解していたつもりではあったが、やはり現地に来てみると慣れない事ばかりで再度中国への想いを再試験されているような感覚に陥る。

「取长补短」他人の長所を吸収し、自分の短所を補いよりよい自分となる。今月は新しい縁に出会うことが中心だった。しかし、「出会う」だけではなくお互いをより深く知り合い相手の良い部分を自分に取り込み、自分の短所を補って行くことを新たな留学の軸として意識し、行動していこうと思う。