「留学中に取り組んだ日中友好活動」芳賀 明里(北京語言大学)

私が日中友好に貢献したと思える活動は、中国人とコミュニケーションする中でお互いの国について知っていること、知っていたけど違ったこと、気になっていること等を話して、お互いの国についての理解を深められたことだと思います。私の場合、大学内だけでなく、ライブハウスでの交流をきっかけに仲良くなった友人が沢山います。ありがたいことに、ライブハウスでは日本語を話しているだけで「日本人ですか?」とかなり好意的に話しかけてもらえることが多く、日本アニメ、音楽、映画などに興味を持つ人ばかりです。そんな彼らと、日本では熱いお湯を飲む文化は中国ほど無い話や、この日本映画は日本より中国での人気があるかもしれない、など些細ながらも国の違いについて楽しく話すことは、日中友好活動の一つと言えるのではないでしょうか。

北京で一番好きなライブハウスにて。お酒が配られて知らない人達と乾杯しました。

例えば、以前中国の番組に出たことのある人気バンドの方と北京で偶然遭遇し、お話しできた機会がありました。私は北京のバンドライブに行くことが大好きで、あなたのバンドも日本にいる時から聴いてましたと伝えると、僕も日本のバンド大好き!と気さくに話してくださいました。彼は「ここでバンドやってる人は日本のバンド好きな人が多いよ。僕もブルーハーツとか大好き。でもここではみんな欧米や日本のバンドの真似ばかり、日本は独自スタイルを持ったバンドが多くて凄いね。」という感じで語っていました。好きだから真似してると分かるようなバンドも私は大好きだったので、そういう視点もあるんだなとハッとさせられた瞬間でした。一方で、独自スタイルでのバンドももちろんいると思います。それぞれが、それぞれの国の文化に対してどう考えるかは、今はインターネットでもすぐに見ることができますが、現地でこうして話すことで初めて分かることが本当に沢山あると改めて感じます。

そしてバンドカルチャーと一口に言ってもその背景には歴史や政治の文脈が必ずあります。私は恥ずかしながらあまり歴史や政治についてそこまで詳しくないのですが、北京のバンドを切り口にその背景にある歴史を調べたり、幅広く日中の違いについて考えられるようになりました。北京のライブハウスで知り合った友人たちとの小さな交流が、いつか日中の音楽交流が盛んになるきっかけの1つになったらと願っています。

留学生活は終わってしまいましたが、今後も今の友好関係を大切にしながら様々な視点で日中友好のために何ができるか考えて行動していきたいです。