「ビジネス中国語の授業」 豊増日菜(清華大学)

中国語を学び始めた時、自分で検定対策用のテキストを読み進め学んでいたこともあり、相手への呼び名くらいで基本的に敬語がないのは楽で良いなあと思っていました。また言語交換相手も日本語の敬語の感覚に戸惑うようで、日本と中国の大きく異なる点なのだと勝手に理解した気でいました。

しかし、今期になってビジネス中国語を学ぶことになり、中国社会にも適切な言葉遣い、日本と同じような年齢や立場に沿った振る舞いがたくさん存在することを知りました。私は4年ほど日本の会社で仕事をしていたこともあり、その感覚はこちらでも生きると感じるほどに似ています。きっと授業や教科書で学ぶほどのことを実際求められることは少ないと思いますが(先生も公務員や銀行員でない限りこんなことはないし、多少誇張されていると笑っていました)、礼儀というものの感覚は両国で近いと思います。

最近中国内で流行しているバラエティ番組を見始めたのですが、初対面の目上の方に対する接し方が学んだままで面白かったです。ちなみに10人の少年が農業にチャレンジする番組で、コンバインの運転等を経験して彼らは「食べ物の大切さ」について語っています。日本社会で育った感覚だと中国はまだまだ頼んだものを完食しない人が多いですが、20年以上前初めて中国に来た時の衝撃を思うと本当に変わってきているなあと思います。

10人の少年が農業にチャレンジする番組《种地吧》

ビジネス中国語の授業では社会での振る舞い方以外にもさまざまなことを学ぶのですが、先日”メイドインチャイナ”について学びました。授業内で「安かろう悪かろう」この感覚があることを先生も認めながらも、それでも中国社会にはまだまだ安いものを買わないと生活できないという人がたくさんいることを真摯に語ってくれました。

私の感覚だと中国で作られたものは(例外を除いて)安い、価格についてはそれだけのイメージでした。社会の中に存在する格差を映しており、どのように捉えるかという問題まで絡めて考える視点は恥ずかしながら考えたことがなかったので、ここで今一度考えることができて幸せだと思いました。留学という形で環境を大きく変えて学べることのありがたさに感謝する日々です。あと残り2ヶ月半ほども、いろんな人と話をしながらいろんなことを毎日考えていきたいと思います。

4月になってから一気に緑が増えてキャンパス内が美しいです

入場券が必要なブックフェアに行ったら超満員でした

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