「日本と中国にているところ、異なっているところ」刀禰千春(北京電影学院)

北京に到着してから、早くも2カ月が過ぎました。この1カ月の間にも、さまざまな経験をさせてもらいました。中でも面白かったのは、友人の宿題である「翻拍(すでにある映像作品のワンシーンを再現すること)」のお手伝いです。彼は日本の映画「Love Letter」が大好きで、その翻拍をしたいからと、私に博子役を任せてくれました。

「Love Letter」の翻拍

撮影当日には、彼とその友人たち、私を含めて5人の小さな撮影班が集まりました。1日かけて、映画の喫茶店と似た雰囲気の場所はないかと校内でロケハンをしたり、秋葉役(台詞が関西弁)をする子に関西弁のレッスンをしたり(笑)、お昼には監督が故郷の特産「牛肉丸(牛肉の肉団子)」を使った火鍋ラーメンを振舞ってくれました。映画大学らしい経験をできて、大好きなお芝居もできて、新しい友人もできて、この1日は忘れられない日になりました。

この時私が感じた日本と中国の共通点は、どちらの国の人も、友人や客人に対する「おもてなし」の精神に溢れていることです。しかしその中でも、日本とは少し違う、中国の特徴と言える点があります。一つは、中国では「食」こそが最高のおもてなしになるということです。中国は広いため、北京にはさまざまな場所出身の人が集まっています。私がこちらで知り合った友人と知り合って遊びに行く時、彼ら彼女らは自分の故郷の特産や自分が一番好きな食べ物をお土産に持ってきてくれます。おかげで東西南北さまざまな地域の特産の味を知ることができました。ある時友人に、「なぜみんな故郷の特産を持ってきてくれるの?」と聞いたところ、「中国人にとって一番重要なのは『食』だから、自分が美味しいと思うものを友達にも知ってもらいたいんだよ」と教えてくれました。この感覚、とても好きだなあと思います。

 

もう一つ面白いのは、中国では「もてなす側」に高いプライドがあることです。授業中に先生から聞いたお話によると、中国では馴染みのあるメンバーで構成された「圈子(グループ)」で年に何度かご飯会をし、そこでは一番最初に声をかけた人がホストになって、全員分の食費を負担するのが暗黙の了解なのだそうです。参加者は財布を出して遠慮を示すこともありますが、ホストの面子を立てるため、最終的にはホストの奢りになります。また、ホストは大体グループ内の年長者から順に1人ずつ担当するそうですが、明確に順番が決まっているわけではなく、「次は私かな」とみんな空気を読んでご飯会の声かけを行います。何としても自分が奢るというホストのプライドは中国ならではだと思いますが、空気の読みあいや、形式だけでも遠慮を示すことに価値を見出す文化は日本ととてもよく似ていると感じます。

 

また、この2カ月でよく耳にした、そして私が一番好きになった中国人の口癖は「应该的,应该的」です。助けてもらった時、何かを譲ってもらった時、お仕事中に「お疲れ様です」と言った時、よくこの言葉が返ってきます。ここでの「应该」は「当然」という意味で、「当然のことだから、気にしなくていいよ」という意味で受け取っています。この言葉から善行や仕事への価値の置き方が見える気がします。

 

実は現在「労働節(メーデー)」のお休み期間なので、貴州に旅行に来ています。明日には上海へ移動して残りの期間を過ごすつもりです。来月はこの旅行のことも報告したいです。

中国の茶道の体験に行きました。

春の西山森林公園。

友人の1人がくれたお土産。

学校の遠足で、初めて中華の回るテーブルで食べました。多分少し高級なところ。

クラスメイトとピクニックに行きました。