「前期を終えて」浅野亜理紗(北京大学)

光陰矢の如し、既に前期を終えてしまったことに対し気持ちがまだ追いついていないのが正直なところだ。前期半年間の振り返りを僭越ながら皆さんと共有させてほしい。以下の動画をまずご覧いただきたい。

(動画1:クラスメイト突撃インタビュー)

 

いかがだっただろうか。何日前かの放課後に教室にまだ残っていた数名のクラスメイトに簡単な質問をした。私自身が急に思い立ったことであるため私自身も含め、回答してくれた友人たちは完全に素の状態だ。そのため私の質問も彼らの回答も一般的なもので特に特徴がないと撮影後1回目に見た時は感じた。しかし、動画を翻訳・編集する過程である言葉が脳裏に浮かんだ。それは、「感受性」である。留学の意義の1つはもちろん、母国でできない経験を外国でする、外国で学びを得ることだ。この半年間で、留学に対する目的・想い・目標等、留学を構成する要素と行動力(積極性)・知識量・社交力(対人関係構築力)等の社会で生きる1人として普段から必要となってくる能力は留学中でもさほど変わらないことに気づいた。

 

しかしここで話を戻すと、自分の観点からは「感受性」が留学の中で一番大切な要素であると強調したい。デジタル大辞泉によると感受性とは、「外界の刺激や印象を感じ取ることができる働き。」との定義がなされていたが、これを見た瞬間まさに留学の醍醐味はこれではないかと自分の中で腑に落ちた。日常を過ごす中で、活動に参加する中で、一人旅をする中で、いつも見ている景色を見る中で、なんとなく知っていたけれど改めて意義や意味を知ったり…。当たり前でないものが当たり前になっていく過程、当たり前であったものの新たな側面を知る過程で触れる「違い」や「違和感」そして自分の中の「想い」を存分に享受することこそが留学で一番重視したい所であると感じた。短いインタビューの中の私の質問も、クラスメイトの回答もありきたりな一言二言で、留学後の目標も明確でない場合は多い。ただ、そのような状況の中でも、奥には沢山の広範囲にわたる様々な経験やストーリーがあるということを皆さんもきっと留学をした時に気づくかもしれない。抽象的な話になってしまったが、まとめると、感受性がより豊かになったと感じたとともに感受性というワードも留学中に忘れてはいけない言葉の1つであると気づかされたということが一番前期を通して伝えたかったことだ。

留学生グループの新歓活動

授業のメモ

最後に、中国のある古詩を皆さんと共有したい。”宝剑锋从磨砺出,梅花香自苦寒来。” ぜひ意味が気になる方は調べてみてほしい。今回意味は紹介しないが、私も梅の花の優雅な香りのようになれるよう、感受性がもたらす思いや考えがより成熟したものとなり言語化できるよう、残りの3か月は当たって砕けての精神で物事に取り組むことを目標にしようと思う。

日本大使館近隣の好运街―皆と自分の幸運を願って