「ワンセメスターの授業を終えて」有馬万達(南京大学)

12月31日をもって九月から始まった南京大学の一学期目が終わり、一旦長期休みに入ることになりました。留学を四ヶ月経験してワンセメスターを終えた後の感覚と、今思い返す留学を開始する前のイメージとではギャップがあります。留学の開始前はやはりオンライン留学という、これまでになかった形式での留学ということもあったため、自分が思い描いていた生活や環境ではありませんでした。というのも、自分が「今までとは違う環境に身を置くと、怠けがちな自分も自然と自発的に努力するのではないか」という動機で留学を目指したのに、実際は日本の大学にいる時とあまり大きく変わらない生活・環境だったからです。それは今学期において困惑したり苦しんだりしたことがほとんどなかったからだと思います。授業も最初こそは戸惑いましたが、親切な先生やクラスメート、様々なサポートをしていただける人たちのおかげで、特に大きな不満もなく一学期間を終えることができました。また実家に居るおかげで、人生で覚えている中で最もストレスフリーな生活を送ることができました。そういったことがあって、授業に集中することができたし、その分の中国語のレベルは確実に上がったと実感しています。しかし、最初に想像していた留学後の自分像とは異なり、何かに必死に取り組んだり、困難を乗り越えたりすることはありませんでした。よく考えてみるとこれは現地に行ってなかったから、オンライン授業だったからなどということではなく、仮に中国に行けていたとしてもさほど変わらなかったと思います。現に、周囲に自分と同じ環境でもやれることをやっている人はいて、同じ日中友好協会の留学生の方や、クラスメートもそれぞれ出来ることに取り組んでいる姿をよく見聞きします。自分がどんな環境にいても自分を甘やかすことができるということは今学期の留学でよくわかりました。今と留学前のイメージのギャップから、今学期の振り返りをし、来学期に改善できるようにしたいと思います。

今回は主に反省すべきことを挙げまじたが、もちろん良かったことを多々あります。その一つに、今と留学前の良いギャップとして、留学前は「留学が終わるまでにHSK6級を取得して、現地の人と違和感なくコミュニケーションを取れれば良い」と思っていたのが、今では留学中に南京大学の120周年祭に関わってみたり、日本でボランティアで中国語を教えてみたいといった新たな目標もできました。これらを踏まえて、2022年にまた新たな気待ちでスタートをきれるように頑張りたいと思います。